No Way Out ~出口なし~   偏愛に満ちた小説と映画の備忘録です
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さらっと読めるバディもの
2010-07-01 Thu 18:54
まほろ駅前番外地まほろ駅前番外地
(2009/10)
三浦 しをん
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直木賞をとった『まほろ駅前多田便利軒』の続編です。あいかわらずの二人ですが、前回に比べると事件性は薄く、せいぜいチンピラの星くんが登場する回の薬くらいでしょうか?あとは指輪を隠したり、例のバスの間引き運転を調べたり、由良くんと塾の先生を追いかけたり。
行天の生い立ちは謎に包まれたままだし、多田は依頼人の未亡人によろめくし、伏線ばりばりです。シリーズ化決定なんでしょう。
さらっと読めるお手軽な読み物ですが、前作発表のあと、コミック化されたんですよね。それがまたBLっぽくて。いやいや、それ間違ってるから。
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松尾スズキの小説は初めて読みました
2010-05-28 Fri 19:24
老人賭博老人賭博
(2010/01/07)
松尾 スズキ
-+C+-
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北九州の田舎に映画の撮影がやってきた。しかしそこはもうなんていうかまるで娯楽のない街で、スタッフたちがヒマつぶしにはじめた他愛のない賭け事が、やがて総取り140万の大バクチにまで発展します。
脚本家のセンセイに弟子入りした金子くんが、自分のことを『つぶらでマッチョ。いびつだ、笑えない』と評するとこがツボでした。あ~、こりゃおもしろいやと思ったのはそのへんまでで、実際ロケ地入りしてからは、本当にその寂れた田舎町のように退屈な話になりました。
でもところどころスマッシュヒットのようにでてくる”心無い善行”とかって表現はさすがうまいなぁと思いました。
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35年目のトーマ・ヴェルナー
2009-11-13 Fri 18:17
トーマの心臓 Lost heart for Thoma (ダヴィンチブックス)トーマの心臓 Lost heart for Thoma (ダヴィンチブックス)
(2009/07/29)
森博嗣/萩尾望都(原作)
-+C+-
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や~、びっくりしました。だっていきなり本屋にトーマの顔が平積みになってるんだもん。あ、いやこれはエーリクだった。
更に驚いたことに、森博嗣がノヴェライズですから。ずっと昔にサヨナラした森先生でしたが、『トーマ』とくれば話は違います。勇んで手に取りました。
どっこい、なんだって舞台が日本になってるんでしょう。それなのにトーマとかユーリって呼びあってるんですよ。なんでもドイツ人の校長が生徒一人ひとりにあだ名をつけてるんですって。なんだそりゃ。おかしくないっすか?でもオスカーだけは本名なの。ますますナゾ。折角ギムナジウムの雰囲気にひたっているところで、いきなり日本がでてくるので、いちいちコケます。なんで日本にしたんだろ。
時代設定は特定されてませんが、国家のためにとか、クォータのオスカーがちょっと異端視されてるところから、恐らく対戦前なんじゃないかなと。
物語はまんま『トーマ』なんですが、オスカー視点でして、更に『訪問者』も加味されているもんですから、主人公がオスカーになっちゃってるんですよ。『トーマの心臓』はあくまでトーマが陰の主役で、ユーリとエーリクの物語なのになぁ。オスカー視点だから、二人のシーンがすっかりはしょられているので、知らない間に仲良くなっててビックリです。いきなりサイフリートの話をしてるんだもん、あんたたちいつの間にー!って感じでした。
ファンだと公言しているだけあって、作品に対する思い入れやあふれる愛情はしっかり読み取れました。でもね、これって同人誌の域を出ていないと思うの。ものすごく水準の高い同人誌。も、プロの書き手さんって言っていいほど。
でももし森博嗣のファンだからって読んでみたトーマ未読の人が、これが萩尾望都の『トーマの心臓』ねぇ、と思うのは絶対にイヤなんです!!お願い、原作も読んで!(あ、そうか、そうやって裾野が広がるのか。)
萩尾望都はやはり天才だなぁと、つくづく思いました。あぁ、トーマが読みたくなってきた。
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だまされる快感
2009-08-28 Fri 22:10
カラスの親指 by rule of CROW’s thumbカラスの親指 by rule of CROW’s thumb
(2008/07/23)
道尾 秀介
-+SA+-
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あら、今回は詐欺師が主人公ですか。
借金ですべてを失ったタケさんと、鍵師のテツさんの詐欺コンビ。そこに転がり込んだ少女掏りのまひろに、姉のやひろ、彼氏の貫太郎。5人の奇妙な共同生活が始まりますが、辛く哀しい過去が追いかけてきます。逃げてばかりの人生でしたが、自分たち家族を破滅させた悪徳金融会社に一矢報いてやろうと、大掛かりな詐欺を仕掛けます。

どうやって金を騙し取るのかなぁと思ったら、ずいぶん子供騙しな手を使いましたね。『スパイ大作戦』みたいでした。ありえないでしょ、それ。
と思ったら、そのあとに2段、3段のオチがあって2度ビックリです。映画の『スティング』みたいな騙され方でした。いや、素晴らしい。あれもこれもそれも、パズルのピースのようにピタリとはまってしまい、愕然です。<ネタバレ>タケさんはさぞ恥ずかしかったことでしょう。
日本推理作家協会賞受賞というのでどんなもんかと思いましたが、おすすめの1冊でした。
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あぁ、勘違い。
2009-08-09 Sun 16:21
完全恋愛完全恋愛
(2008/01/31)
牧 薩次
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このミスで上位ランクインしていたので読んでみました。
敗戦直前の昭和20年の福島から平成19年の東京まで、その時代、時代の出来事を織り交ぜながらの、長い長い犯罪です。

”他者にその存在さえ知られない罪を/完全犯罪と呼ぶ/では/他者にその存在さえ知られない恋は/完全恋愛と呼ばれるべきか? ”

冒頭にこんなことが書いてあったんですが、主人公の恋情なんてバレバレなんですよ。みんなが知ってる秘めた想いなんです。職場にもいます、こんな人。もう哀れで哀れで、陰で腹抱えて笑ってます。
ではもう一方の恋心はどうかというと、これも早々に分かってしまいます。普通に読んでればあの時の相手が誰かなんて、絶対わかるんですって。何をもって”完全恋愛”というんでしょう。
トリックについてもなんていうんですか、それ本気で言ってんの?って思ってたんですが、本気だったんですよ。しかもそれが真相だったんです。ものすごい偶然に助けられてますよね、しかも何回も。
だいたい人称が変わった時点で、犯人が誰か分かっちゃうじゃないですか。
いや、そもそも文章が下手なんですよ。と思ってたら、なんと辻真先の変名なんですね、牧薩次って。だからか、この文章の破綻っぷりは。

そんな『完全恋愛』なんですが、ものすごく評判がいいんですよね。どこがでしょう?私が読み取れてない仕掛けとかがあったのかなぁ。
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日常に潜む鬼
2009-07-09 Thu 00:23
鬼の跫音鬼の跫音
(2009/01/31)
道尾 秀介
-+B+-
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なかなか評判のいい短編集らしいので、期待して読みました。
虫が大嫌いなので、『鈴虫』の描写がダメでした。あのぷくぷくしたお腹とか想像しちゃって、もう。
どれもラストにひとひねりしてあって、最後にぞくりとします。
なかでも日記の体裁で語られる『冬の鬼』は思わず最初から読み返したくなります(読み返しました)。
この短さでこれだけの完成度、ひねり、怖気がぎゅっと束ねられています。直木賞候補もうなずける1冊でした。
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残酷純愛物語
2009-07-04 Sat 16:14
1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 21Q84 BOOK 1
1Q84 BOOK 2
(2009/05/29)
村上 春樹
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村上春樹の7年ぶり長編小説。ファンの要望だか、新潮社の戦略だかで発売前に内容について一切公表しませんでした。
「ほうほう。」だから私もできるかぎり情報を遮断して読みました。タフでクールな青豆さんと、塾講師で小説家志望、でもどちらにも見えない天吾くんの物語です。
読後感は『え?ここで終わり?』です。上・下ではなく1・2となっているということは『3もあるの?』とも。
なんというか、村上春樹らしい小説でした。多彩な比喩や、現実と非現実をひょいっと越えてしまう展開なんか。
でも私が一番村上春樹らしいと思ったのは、やっちゃうところです。一風変わった美少女が出てきた途端、あぁ絶対やっちゃう、もう間違いなくやっちゃう、と思ってました。あの辺は小説の山場でしょうから、きっと一番印象深いという読者はいるでしょうけど、私は一番興醒めしました。あぁまたかよ、と。
青豆さんがとっても魅力的なのに比べると、天吾がいまひとつな感はありましたが、これくらいのバランスがいいんでしょうね、きっと。
とはいえ、話は面白く(というと語弊がありますが)読みました。やはり村上春樹は長編だよなぁと、結構な充足感です。オウム事件が主題になっているのは途中からわかります。読んでいるときはそれほど意識しませんでしたが、あとからじわじわとやってくる恐怖のようなものがありました。もう少し時間をあけてから、じっくり読み返してみたいです。
『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』ほどののめり込み方はしませんでしたが、60歳になられたということで、その分練れた巧さと強さと怖さです。
え?ここで終わり?とも思いますが、続編、書かない方がいいですよ。
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表紙カバー絵があってません
2008-09-12 Fri 21:19
ラットマンラットマン
(2008/01/22)
道尾 秀介
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高校時代からバンドを組んでいる仲間4人。そのうちの紅一点が倉庫の片づけをしている時に誤って巨大アンプの下敷きになり亡くなってしまいます。そしてそれは事故ではなかったのです。
被害者の女性とつきあっていて、実はその妹とできちゃった主人公が怪しいんですけど、もちろん道尾さんですから、そんなに簡単な話じゃありません。そんなふうに読んでるから、残りのページ数を考えて、まだもう一回来るななんて、つまらない読み方をしてしまいました。
現在の事件と、主人公が子供の時に亡くなったお姉さんの事件がリンクするんですが、こちらは最後まで上手にひっぱりましたね。
主要人物たちがどうにも好きになれなくて、あっという間に読んだ割に、好きになれない話でした。
彼女が浮気して妊娠したからって、殺意とかもつなよ、妹とデキてるくせにと。
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NHK的人情噺
2008-04-23 Wed 19:23
仏果を得ず仏果を得ず
(2007/11)
三浦 しをん
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3冊目のしをんさん本です。今度の舞台はなんと文楽。芸に精進する若き技芸員の悲喜こもごもです。
元・ヤンキーの健は、修学旅行で観た文楽にとりつかれてしまい、高校卒業と同時に研修所に入り、卒業後は人間国宝・銀太夫師匠の下、芸の研鑽に明け暮れる日々です。
師匠の命令で、変人と名高い三味線弾きの兎一郎と組み、あれやこれやと苦労をし悩み、成長していくサクセスものでもあります。
なんといいますか、NHKの夜11時の連ドラみたいな話でした。不器用でまじめな主人公に、飄々とした師匠、ハンサムだけどとっつきにくい、でも実はやさしい兄弟子と、ヒロインがシングルマザーの美人ですからね。もう登場人物からしてNHK向き。
話の描写も、こう画がぽわんと浮かぶような、そんなストーリー展開でしたね。兎一郎と藤根先生が実は夫婦だったことが発覚する場面とか、月太夫と砂太夫の関係だとか。あとから健にもだんだん事情がわかってくるという形が、連ドラっぽくそしてNHKっぽかったです。ミラちゃんがいなくなるとこなんか、最終週の水曜日くらいの山場でしょ?って。

箱根駅伝といい、今回の文楽といい、観てみようかなという気にさせるくらいよく取材してあるし、話の持ってき方とかがうまいと思います。あっという間に読みました。
ただ、健が30歳ってのが引っかかりましたけど。もっと若いつもりで読んでたんですよ。25、6くらいの下っ端だと。最近の30ってのはこんなもんなんすかね?それとも三浦さんが描くからなんですか?
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作家が愛した京極堂
2008-03-13 Thu 19:21
妖怪変化 京極堂トリビュート妖怪変化 京極堂トリビュート
(2007/12/14)
西尾 維新、あさの あつこ 他
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人気作家さんのトリビュートということで楽しみにしてたんですが、見事に裏切られました。これ同人誌の域を出ていないでしょう?いえ、同人誌を貶めているのではなく、シロウトだってこれくらいの水準の話は書けるんですよ。仮にもプロが、しかも当代きっての人気作家が京極夏彦の亜流しか書けないのかと、大変残念でした。
柳家 喬太郎さんの落語も良かったんですが、サゲがぜんぜんサゲになっていないので、なんかぽかーんとして終わってしまいました。
諸星先生は、え?これ京極堂なの?というくらい影が薄いキャラがでてきます。稗田礼次郎が強烈すぎるんですけど、もうこれは妖怪ハンターの話ですね。
西尾さんの堂島静軒の話とかすごく良い出来で、もろそのまんま京極ワールド。京極夏彦が書きそうな話だなぁと。でもそれじゃダメなんですよ。それは京極が書くからいいんです。折角のアンソロ本なんだから、こうもっとなんていうか、自分のステージで嚥下した京極ワールドを展開させて欲しかったです。ほとんど未読の作家さんばかりなので、こんなこと言うのも口はばったいのですが。
そうゆう意味では松苗先生のお話が一番主旨にあった作品だったと思います。松苗作品らしくあり、京極キャラを損なうことなく動かしているところは、さすがです。
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