No Way Out ~出口なし~   偏愛に満ちた小説と映画の備忘録です
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取扱い注意な青春小説
2006-11-07 Tue 23:05
ボトルネック ボトルネック
米澤 穂信 (2006/08/30)
新潮社

+-B-+

米澤さんの『古典部』でも『小市民』でもない小説は初めてです。こちらも高校生が主人公。しかし結構悲惨な家庭環境です。
主人公の嵯峨野リョウ、両親の仲は最悪でお互い別々に愛人がいることを小さい頃から見せつけられています。そして子供には無関心。これも一種の虐待ですよね。そんな彼にも好きな女の子がいたんですが、2年前に事故で亡くなってしまいます。やっと心の整理をつけて、事故現場の東尋坊へ花を手向けに来ます。そこでめまいをおこし、崖下へ。目が醒めると金沢市内でした。更に、家に帰ると見ず知らずの『姉』がいる。これは一体?
いわゆるパラレルワールドものです。嵯峨野家に子供は二人。姉の替わりに自分が生まれた世界から、姉が生まれて自分が生まれなかった世界へ突然スライドしてしまうのです。

あらすじだけ読めばなんだか青春小説みたいですが、とんでもない。
もうひとつの世界は少しずつ違いがあって、両親の仲は修復している、寝たきりになったラーメン屋の主人は回復している、そして死んだはずのノゾミも生きています。
最初は『間違いさがし』なんて言ってましたが、話が進むにつれてその言葉自体が残酷だとわかります。サキの生まれた世界の方が、リョウがいる世界よりよくなっている、すなわち『間違い』は自分だと。
私、ラストの方でリョウがそう告白するまで全然気がつかなかったんですよ。私も想像力が欠如してます。ミステリのつもりで読んでたんですが、これって青春残酷物語だったんですね。もといた世界に戻ってサキのように振舞って、周囲を変えていこうという前向きなエンディングかと思ってました。『ボトルネック』というタイトルもその意味がわかると哀しすぎます
<ネタバレ>これから起きる不幸な出来事を『サキだったらこうはならなかった』と一生考えながら生きるというのは、確かに辛い。ラストでいこかもどろか考えている時に届いた母親からのメールを読んで、リョウはどちらの決心をしたのでしょう。大方はいってしまったと読むでしょうけど、私はもどったというエンディングも有りだと思ってます。というか私の希望なんですけど。これはきっと読む側の体力にもよるのでしょう
心が風邪ひいている状態で見たら、きっとダメージ大だと思います。
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