No Way Out ~出口なし~   偏愛に満ちた小説と映画の備忘録です
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 | top↑
実は前畑滋子があんまり好きでなかったりする
2007-11-04 Sun 17:52
楽園 上 (1)楽園 下 楽園 上
楽園 下

宮部 みゆき (2007/08)
文藝春秋

この商品の詳細を見る

あの『模倣犯』事件に深く関わったライターの前畑滋子は事件そのものに打ちのめされ、文章が書けなくなってしまい、文筆業から遠ざかっていました。少しずつ復調し、フリーペーパーの原稿を書くくらいまでに立ち直りました。あれから9年かかりました。その滋子のもとに、交通事故で息子をなくした母親から奇妙な依頼が持ち込まれます。民家の床下に女の子が埋められていた事件を、息子が絵に描いていたというのです。事件が発覚したのは息子が死んでからずっとあとなのに。そのスケッチブックには、あの”山荘”の絵もありました。ニュースとして流れなかったシャンパンの瓶が描かれていたことで、滋子はひどく動揺します。

あの『模倣犯』は、読んだ私もものすごく打ちのめされて、すごい小説だなぁと思いながらも、二度と手に取る気にならないほどでした。こうゆう(続編を読んだ)場合、よく私は前作を再読したりするんですが、こればっかりは読めません。滋子も幾度となく過去の事件に揺さぶられます。取材に行く先々でも、彼女の名前を覚えていて過去のことを持ち出されるのです。
でもあくまでバックボーンにあるだけで、本編にはあまり関係がありませんから、読んでいなくても大丈夫です。でも読んでいたほうが滋子の行動に合点がいくかもです。今回主役ですからねー。

上巻では、等という男の子の描いた絵をめぐって、彼は本当に人の記憶を読み取るサイコメトラーだったのか?と、等や母親の敏子の生い立ちや学校生活を調査します。そして等が能力者だったと認めてしまった上巻ラスト。あらそうくるかと、なんかとても違和感がありました。もっと現実的な理由をもってくると思ってたものですから。しかし、そういえば昔の宮部作品には能力者がよく出てきてましたっけ。そのへんちょっと懐かしい感じがしました。

下巻ではその死んでいた女の子の妹から、姉のことを調べて欲しいと依頼されます。両親はどうして娘を手にかけたのかと。どうしようもない不良少女だった茜の周辺を調べていくうちに、過去の事件、そのさらに奥に隠していた事件が明らかになります。

これだけもりもり盛り込んだ話をどう落とすかなぁと興味深く読んでいました。ちょっと事件の落着具合が力技というか、あっけなかった気がしますが、一番キレイな落としどころだったと思います。過去の事件と現在の幼女誘拐、等の能力。これらをうまいことまとめてますね。ラストの思いがけない再会も宮部らしいなあと思いました。
スポンサーサイト
別窓 | ま行 宮部 みゆき | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<<妖怪が出てこない『しゃばけ』 | No Way Out ~出口なし~ | 野暮は承知の上ですが>>
この記事のコメント
コメントの投稿














管理者だけに閲覧

この記事のトラックバック
トラックバックURL

FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら
| No Way Out ~出口なし~ |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。