No Way Out ~出口なし~   偏愛に満ちた小説と映画の備忘録です
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その風は追い風か、向い風か
2007-08-31 Fri 20:37
風が強く吹いている 風が強く吹いている
三浦 しをん (2006/09/21)
新潮社
-+SA+-
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高校時代に将来を嘱望されていたにも関らず暴力事件を起こして陸上をやめた走は、東京の寛政大学に入学します。パンを万引きして逃げているところを清瀬灰二(ハイジ)に追いかけられ、そのまま竹青荘(通称アオタケ)というボロアパートに案内されて、そこに住むことになります。住人は皆同じ大学の学生で、個性的な面々です。そして走の歓迎会で、ハイジはとんでもないことを言い出します。この下宿のメンバーで箱根駅伝に出るというのです。『君達に頂点を見せてやる』と。

ハイジと走以外、陸上シロウトです。高校時代に陸上をやっていたけれど今はヘビースモーカーのニコチャン先輩、サッカー部でレギュラーだったジョージとジョータの双子とキング、剣道部だったユキ、田舎で山道を通学していた神童、黒人の身体能力を買われた留学生のムサ、そして運動音痴で漫画オタクの王子。最初は渋っていましたが、ハイジに借りがあるアオタケの面々は、ついに箱根を目指すことを決意します。
それから1年、朝から晩まで走ってばかりの毎日です。ハイジは個人の実力と性格にあわせたコーチング(や、操縦だな)で、メンバーはどんどん実力をつけていき、みんなもだんだん走ることが楽しくなっていくのです。そして予選会を勝ち抜き、なんと本選出場を決めるのです!

陸上に詳しい人はふざけんな、と怒り出すかもしれません。私もいつもは現実味のない話は、ふんっと鼻で笑ってしまうのですが、これはいいんです、面白かったから。まるで漫画のようで(もちろん褒めている)。
個性的な選手達に、憎らしい敵役の榊、ハイジの同級生で王者の貫禄を見せる藤岡、アオタケの住人を応援する商店街のマドンナと、スポーツ漫画のツボを押さえたキャスティングです。
走ることだけでなく、ケンカしたり、悩んだり、恋をしたりと、いろいろ楽しませてもらいました。
それまでは走の視線がほとんどで話が進んでいたのですが、箱根の本選ではみんなが一人称でいろいろ考えながら走っている描写があります。もう、このあたりは読みながら目頭が熱くなってまずかったです。電車の中で読むもんじゃありません。風邪でフラフラになりながら、それでも控えの選手がいないから無理をしてでも走る神童とか、足の故障で走れなくなったハイジの走に対する希望のような切ない思いとか。そしてみんな、この1年楽しかった、夢のようだった、充実していたと、身体的には苦しいけれど、楽しそうに走るのです。
あぁ~、泣けました~。
読み終わった後に、いろいろなシーンが描かれているカバー絵を見るのも楽しいです。

毎年テレビで見てるだけの箱根駅伝ですが、来年は大手町にでも行きたくなりました。でもきっと泣くな、私。
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