No Way Out ~出口なし~   偏愛に満ちた小説と映画の備忘録です
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 | top↑
暗くて深いもうひとつの貌
2009-10-15 Thu 18:11
追想五断章追想五断章
(2009/08)
米澤 穂信
-+A+-
商品詳細を見る


米澤作品には2つの味があり、小市民や古典部シリーズのようなちょっと面倒くさい青春小説と、『ボトルネック』のようなかなりボディにごふっっとくるようなヘビィな話があります。
今回は後者で、この静かな暗さが大変よかったです。
家庭の事情で大学を休学せざるをえなかった芳光は、叔父の古本屋に居候しながら、復学するチャンスをうかがっています。そこへやって来た亡くなった父親の小説を探したいという可南子の依頼を引き受けます。そして、その周辺を調べるうちに妻殺害の疑惑が彼にかけられたことを知ります。
叶黒白名義のリドルストーリー5編と、週刊誌の記者が書いた記事『アントワープの銃声』、これがまぁ、うまいこと。なんだってこんなベタ記事をキッチリ読ませるんだろうと思ったら、そこが重要だったんです。断章が5つある理由も。う~ん、唸りましたね。
小説をめぐる謎解きもよかったんですが、芳光の暗さがまた光りました。自分には『語るべき物語がない』と言い切る若者の、自分と未来を悲観したその様が、米澤作品だなぁと思うのでした。



スポンサーサイト
別窓 | や行 米澤 穂信 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
ダブルだなんて、おこがましい
2009-10-12 Mon 19:21
ダブル・ジョーカーダブル・ジョーカー
(2009/08/25)
柳 広司
-+B+-
商品詳細を見る
10/12
続編がでないかなぁと、思ってたらでました。うれしいです。
今回、D機関と同じような性質の風機関のリーダーが結城中佐と張り合ったり、若い頃結城中佐に煮え湯を飲まされたドイツ将校がリベンジに臨んだりします。どちらもなかなか優秀らしいんですけど、もちろん結城中佐はその上を行くわけですよ、軽々と。あぁ、カッコいいなぁ。
特に『棺』では、”魔術師”と呼ばれた若かりし頃の活躍が読めます。カッコいいなぁ。
共産主義に傾倒したスパイや、D機関の名を騙る窃盗団にかつがれた役人が主人公だったりするので、D機関の存在は話の最後までわかりませんが、いやもう、その手際の良さと言ったらお見事です。
だからこそ、最終話でのポカが際立ちます。情に竿差しゃ流されるっていうか。前作でも過去の亡霊に捕われて、冷静な判断ができなかったスパイがいましたっけ。

最終話では真珠湾攻撃がありました。登場人物が、開戦してしまえばスパイの必要性がなくなると言ってましたから、続編はないかもしれませんね。残念!

別窓 | や行 その他 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
落ちモノの王道
2009-10-02 Fri 21:42
植物図鑑植物図鑑
(2009/07/01)
有川 浩
-+B+-
商品詳細を見る

”よかったら俺を拾ってくれませんか”
で始まる、OLのさやかと、アパートの前で行き倒れていたイツキの恋愛物語。相変わらずのゲロ甘っぷりです。
あとがきにありましたが、落ちモノというんですって。天空の城ラピュタみたいに空から美少女が降ってくる系のお話のことを。じゃその逆もしかりってことで、イケメンが落ちているという話にしたらしいです。なんかマンガでもありましたよね、こんな話。ありがちといえば、ありがちです。
そして物語もとてもわかりやすく、出会って、好きになって、告って、いちゃいちゃという道筋をたどります。
自分のことをあまり話したがらないイツキですから、きっとなんか問題を抱えてるんだろうなぁと思いますが、<ネタバレ>もちろんそれも乗り越えてハッピーエンドですそりゃそうだよな、有川浩なんだから。
ありきたりのオンパレードなんですが、それでもわくわくしてページをめくったのは、こんなシュチュエーションが女の子の夢だからです。イケメンが家の前に落ちてて、それが料理が上手でそこそこ他人行儀で、信頼できて、なんか好きになっちゃったのよ、という少女マンガのような設定ですよね。
人が殺される話ばかり読んでるもんですから、たまにはこうゆう砂吐くほどの激ラヴ小説もいいもんです。
別窓 | あ行 有川 浩 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
| No Way Out ~出口なし~ |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。