2009-02-16 Mon 17:50
上流家庭の使用人(またはお嬢様)たちが主役の、ブラックな連作集です。 あらゆる予想は、最後の最後に覆される―― ラスト一行の衝撃にこだわり抜いた、暗黒連作ミステリ。 とありましたが、それはあんまりでしょう?せいぜいラスト3ページくらいかと。というより、そんな最後の一撃(フィニッシングストローク)を期待するのではなく、物語全体のオチとしいうかサゲというか、締めの一文くらいの心がまえで読んだほうがいいと思います。私はラストに大どんでんがあるかと期待して読んだクチなんで、肩透かしくっちゃいました。 各話完成度にバラつきがあって、『身内に不幸がありまして』はラストが落語かと思いましたよ。”まんじゅうこわい”みたいな。 ところどころに出てくる”バベルの会”の消滅と復活を描いた最終話『儚い羊たちの晩餐』は、なんだか狐につままれたような読後でした。そもそも”アミルスタン羊”を知らなかった私ですから、効果も半減といったところでしょう。あぁ、もったいない。でもこれが一番よかったです。再読したのはこれだけ。初回とはまた違った趣で読めました。 スポンサーサイト
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