No Way Out ~出口なし~   偏愛に満ちた小説と映画の備忘録です
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未完だとは...。
2007-11-30 Fri 12:06
遊戯 遊戯
藤原 伊織 (2007/07)
講談社
-+評価せず+-
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子供の頃に父親から虐待を受けた31歳のサラリーマンと、駆け出しのモデルの女の子が、ネットゲームで知り合います。2人は実際に会い、徐々に距離を縮めていきます。本間は自分の過去をはじめて他人に話します。立て続けに3本のCMに起用され、モデルとしてどんどん成功していくみのりですが、あるCMを受けたのは本間に『本間さんの会社のCMに出ることになりました』とメールしたかったからでした。

というふうに、さあこれから...というところで絶筆です。うがーっ!!未完だとわかっていたら読まなかったのにー!!(ウソ)
完結していると思っていたので、残りこのページ数でどうやってまとめるんだろうと思いながら読んでいました。本間のお父さんの拳銃の謎とか、不気味な自転車おじさんの狙いとか、もう気になるじゃないですか。
藤原さんの黄金の組み合わせ、主人公がドロップアウトした中年に若いお嬢さんという今作も、とても気に入ってたんですけどね。いつもよりまともなカップル(失礼)だったから、これをどんなキナ臭い話にもっていくんだろうと。あぁ、残念です。
藤原伊織さんの遺作は『ダナエ』だと思っていたんですが、まだもう一冊あるようです。それも未完なんだろうなぁ...。
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いろいろあった一年でしたね
2007-11-27 Tue 21:47
遠まわりする雛 遠まわりする雛
米澤 穂信 (2007/10)
角川書店
-+B+-
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古典部シリーズ最新刊です。
ホータローたちが入学してから2年生になるまでの1年間を、さまざまなできごとで綴った連作短編集です。
時系列順に雑誌に発表していないのに、うまい具合に伏線が決まるなぁと思ったら、野性時代に続けて発表してたんですね。
夏合宿に温泉に行ったり、初詣で納屋に閉じ込められたり、バレンタインに摩耶香の手作りチョコが盗まれたりと、年中行事で彩られています。
そして最後が書き下ろしの表題作。生き雛として千反田がお雛様になり、助っ人で呼ばれたホータローが傘持ちをやるという1篇でした。驚いたことに<ネタバレ>2人ともお互いのことを意識してるんですね~。ちょっと意外でした。里志と摩耶香の2人も、思ったより複雑な事情を抱えているのがわかり、驚きました。しかし今時珍しい、面倒臭い高校生たちですね
謎についてはあまり凝ったものもなく、短編賞の候補になったという『心あたりのある者は』ですら、それほど感銘を受けませんでした。そのへんはちょっと物足りないんですけど、好きな人にはたまらない短編集だと思います。
どちらかというと、2年生になってからの4人の関係が楽しみです。
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派手さはありませんが、上品です
2007-11-20 Tue 21:44
1950年のバックトス 1950年のバックトス
北村 薫 (2007/08)
新潮社
-+C+-
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相変わらず品のいい、北村先生の短編集です。出典がまちまちなのであまり統一感のようなものはありません。2000年以前はちょっと不思議な話が多く、『雁の便り』は山の話がこんなところに着地するとはと、背筋が寒くなったりしました。眠りたくないという女の子の秘密とは?『百物語』も不気味でした。
2000年以降は、生活や人生の端々でおこる些細な出来事を書いています。『ほたてステーキと鰻』は、『ひとがた流し』の牧子が出てくる短編で、主人公だった千波が亡くなったあとの後日談が読めて、ちょっと得した気分になりました。
表題作は、戦後短い期間だけ女性のプロ野球チームがあり、そこで同じチーム
だった少女2人が、50年後に孫の試合で再会するというお話。躍動感のある試合の描写が、女の子たちのキラキラした気持ちを伝えてくれて、とてもよかったです。
でもやっぱり物足りないんですよね。
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だからさっさと別れておしまい
2007-11-17 Sat 19:45
追伸 追伸
真保 裕一 (2007/09)
文藝春秋
-+C+-
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ギリシャに単身赴任をしている夫の元に届いた、妻からの離婚届。突然の仕打ちに夫は妻に真意を糾します。妻はただひたすら自分のいたらなさを謝るばかりで、納得のいく離婚理由を明らかにしません。夫は妻の言動をあげつらって、自分の疑惑を妻につきつけます。男がいるんじゃないか、と。妻はそんなことはないと言いつつ、若い頃に亡くなった祖母がいかに美しかったか、その祖母にはなにやら秘密がある、事情を知る母たちは口をつぐみ、つれあいである祖父も亡くなった、などとまるで見当違いな話題で返します。
これを書簡でやり取りしてるんです。あぁ、もう鬱陶しい!!いいからさっさと別れておしまい!と、第1章はイライラしながら読んでました。

第2章は、妻の祖母、春子と夫の誠治との間で交わされた往復書簡です。春子は殺人の容疑で拘留されており、誠治は手紙で妻を励まし彼女の無実を信じていると伝えるのですが、一方で妻の行動に疑問を持ち、独自に調査をしていくのです。
祖母と孫、時代は違ってもやってることは同じでして、おまけに亭主の健気っぷりもまた同じなんですよ。もちろん新保さんはそれをわかってやってるんでしょうけど。
夫は誠治の手紙を読んで『僕は生涯、平瀬誠治という男の行き方を忘れない』とかなんとか言ってますが、これは男性だからでしょうか?獄中の妻を気遣いながらも、ド正論でねちねちと追い詰めていくところが、私にはいたたまれなかったんですが...。それは私にも身に覚えがあるからないんですよね。春子や奈美子のように安易で流されやすいところが。そうゆうずるいところがいやでしたねぇ。
あら、好きな登場人物がいないじゃないですか。

話としてはなんてことはないんですけど、書簡形式にしてあるから1冊もってるような話でした。こうゆうちまちましたココロ温まる系ではなく、新保くんにはもっとスケールのでかい大冒険活劇または陰謀モノをお願いしたいです
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適材適所でお願いします
2007-11-13 Tue 23:15
文学賞メッタ斬り! 2007年版 受賞作はありません編 (2007) 文学賞メッタ斬り! 2007年版 受賞作はありません編 (2007)
大森 望、豊崎 由美 他 (2007/05/10)
PARCO出版

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このシリーズを読むようになって知ったのですが、芥川賞は作品に、直木賞は作家にあげる賞なんですって。ですから作品じたいも評価の対象ですが、今までの実績なんてのも勘案されるそうです。
で、今回のサブタイトル、”受賞作はありません”ですが、その名のとおり北村薫先生が候補にあがっていて、大方の予想は◎であったにも関わらず、受賞作なし!確かに『ひとがた流し』はどうかと思いますが、作家にあげる賞だってんなら、あげればよかったのに...。そして恐らく次のメッタ斬りでも激怒していると思いますが、その次の直木賞も『玻璃の天』で候補になっていながら、受賞を逃しています。あぁ、もう、この本を読まなければそんな無体なことも知らず、こんないたたまれない気持ちにもならなかったのになぁ、というのがこの本の感想です。なんだそりゃですが、そうなんですもの。
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タフでクールでやさしいグロリア
2007-11-11 Sun 23:13
グロリア グロリア
ジーナ・ローランズ、ジョン・アダムス 他 (2006/09/27)
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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1980年製作ですから、これ観たのってホントに子供の頃ですね。CSでやってて、懐かしくて観ちゃいました。
大筋は覚えていた通りでしたが、グロリアが結構な大年増だったのが意外でした。もっと若い女優さんっていう記憶があったんですけど...。でもカッコよかったです。車に向かって発砲するシーンは、とてもきまってます。非の打ち所のないポージングです。”私は太ってるから走れないの”というセリフどおり確かにふくよかなんですけど、脚がきれい!美脚です。
裏切りの代償に、会計士の一家がマフィアに皆殺しにされます。直前に一人だけ逃れた男の子フィルと、同じアパートの住人で前科のあるグロリアの逃避行。シンプルでわかりやすい物語です。それだけに途中なかだるみしますが、グロリアの魅力でカバーされます。ウンガロのドレスで颯爽と現れるグロリアに比べ、フィルの衣装はどうかと...。”服でも買おう”と言ってたんだから、衣装替えしてあげればいいのにねぇ。

生涯の伴侶であるジョン・カサヴェテス監督が、愛情をこめて撮っただけに、80年代の彼女の代表作となりました。息子のニック・カサヴェテスが撮った『きみに読む物語』でも、ジーナ・ローランズの演技は光ってました。親子二代にわたって愛のある撮り方をしてもらい、女優冥利に尽きますね。
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笑って泣ける人情噺
2007-11-07 Wed 20:46
拝み屋横丁顛末記 9 (9) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) 拝み屋横丁顛末記 9 (9) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
宮本 福助 (2007/10/25)
一迅社

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お里が知れますが、作者の宮本福助さんはデビュー前からファンでして、この商業誌デビューがとてもとても嬉しかったのでした(たとえゼロサムでも)。しかも”拝み屋”ですからね。読む前から、ぷぷぷと笑ってしまいましたよ。

神主、神父、陰陽師といった、宗派を問わない”拝み屋さん”が集う横丁は、通称”拝み屋横丁”と呼ばれ、近隣住民から白い目で見られているのでした。そこの最強大家・文世さんや、甥の正太郎、小説家の東子さんに引退した元・拝み屋の三爺。人間だけでなく、横丁には幽霊も暮らしているので、日常がもう非日常です。そんな横丁のドタバタ人情劇です

なんといってもキャラクターが最高です。ごっついオカマの幽霊・エンジェルさんを可愛いと思ってしまう私は、そうとう毒されてますね。東子さんと幽霊・平井の今後も気になります。
基本はギャグなんですが、やはり”拝み屋”ですから、亡くなった人の話とかも多くて、死んだ奥さんの幽霊が旦那さんのところに現れる話とか、セーターを渡す為に正太郎に会いにくる幼馴染の女の子の話とか、ちょっとホロリとしますね。
あっというまに9巻。まだまだ続きそうで嬉しい限りです。最近ちょっとダレてきたなと思ったら、大家さんのお母さんが登場。新キャラ出して、また巻き返してください
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妖怪が出てこない『しゃばけ』
2007-11-07 Wed 17:58
まんまこと まんまこと
畠中 恵 (2007/04/05)
文藝春秋
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畠中さんの本は『しゃばけ』シリーズ以外は初めてです。江戸の町名主という、奉行所に行くほどではない裁定をする名家の跡取り息子・麻之助が事件を解決します。おなかの子の父親を探したり、お武家さまの忘れ形見を捜したり、人情噺ですね。

手放しで面白かった!とはいえません。ごめんなさい。妖たちがでてこなくて、主人公が丈夫だという点が違うだけで、『しゃばけ』とどこが違うのでしょう。『しゃばけ』もワンパターンだといえばそうなんですが、あちらはキャラクター小説ですから、そこが楽しみで読んでるところもあるんですよ。
『まんまこと』の登場人物たちも悪くはないんですが、いかにせん描写が中途半端。主人公にしても最後まで掴みきれませんでした。失恋の痛手を引きずってるのはわかるんですが、なんかそれだけ?みたいな。
う~ん、面白い題材だけに残念
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実は前畑滋子があんまり好きでなかったりする
2007-11-04 Sun 17:52
楽園 上 (1)楽園 下 楽園 上
楽園 下

宮部 みゆき (2007/08)
文藝春秋

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あの『模倣犯』事件に深く関わったライターの前畑滋子は事件そのものに打ちのめされ、文章が書けなくなってしまい、文筆業から遠ざかっていました。少しずつ復調し、フリーペーパーの原稿を書くくらいまでに立ち直りました。あれから9年かかりました。その滋子のもとに、交通事故で息子をなくした母親から奇妙な依頼が持ち込まれます。民家の床下に女の子が埋められていた事件を、息子が絵に描いていたというのです。事件が発覚したのは息子が死んでからずっとあとなのに。そのスケッチブックには、あの”山荘”の絵もありました。ニュースとして流れなかったシャンパンの瓶が描かれていたことで、滋子はひどく動揺します。

あの『模倣犯』は、読んだ私もものすごく打ちのめされて、すごい小説だなぁと思いながらも、二度と手に取る気にならないほどでした。こうゆう(続編を読んだ)場合、よく私は前作を再読したりするんですが、こればっかりは読めません。滋子も幾度となく過去の事件に揺さぶられます。取材に行く先々でも、彼女の名前を覚えていて過去のことを持ち出されるのです。
でもあくまでバックボーンにあるだけで、本編にはあまり関係がありませんから、読んでいなくても大丈夫です。でも読んでいたほうが滋子の行動に合点がいくかもです。今回主役ですからねー。

上巻では、等という男の子の描いた絵をめぐって、彼は本当に人の記憶を読み取るサイコメトラーだったのか?と、等や母親の敏子の生い立ちや学校生活を調査します。そして等が能力者だったと認めてしまった上巻ラスト。あらそうくるかと、なんかとても違和感がありました。もっと現実的な理由をもってくると思ってたものですから。しかし、そういえば昔の宮部作品には能力者がよく出てきてましたっけ。そのへんちょっと懐かしい感じがしました。

下巻ではその死んでいた女の子の妹から、姉のことを調べて欲しいと依頼されます。両親はどうして娘を手にかけたのかと。どうしようもない不良少女だった茜の周辺を調べていくうちに、過去の事件、そのさらに奥に隠していた事件が明らかになります。

これだけもりもり盛り込んだ話をどう落とすかなぁと興味深く読んでいました。ちょっと事件の落着具合が力技というか、あっけなかった気がしますが、一番キレイな落としどころだったと思います。過去の事件と現在の幼女誘拐、等の能力。これらをうまいことまとめてますね。ラストの思いがけない再会も宮部らしいなあと思いました。
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