No Way Out ~出口なし~   偏愛に満ちた小説と映画の備忘録です
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繊細な方はご遠慮ください
2007-06-28 Thu 21:31
独白するユニバーサル横メルカトル 独白するユニバーサル横メルカトル
平山 夢明 (2006/08/22)
光文社
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『このミス』1位ということで手にとってみましたが、なんというかその、ボディにぐほっとくる短編集でした。
『ニコチンと少年』は町に住み着いた乞食を町民がよってたかって虐める話だし、『Ωの聖餐』はヤクザに飼われている巨大な男が死体を食べて、脳味噌も食べたらその知識を吸収したという話だし。
家でも学校でも虐められている女の子が、街に横行する殺人者に会いたいと願う『無垢の祈り』。このへんからもう私もマヒしてきました。
表題作が比較的まともというか、地図が主人公で、その『ご主人』のタクシー運転手の犯罪を語るのです。彼が死ぬとその息子が、同じように殺人に手を染めます。地図は黙って見ているだけではなく色々と手助けをしますが、最後には破滅に導くのです。
すさまじい拷問シーンの連続だったり、死体損壊に死体の山。グロとスプラッターです。またこれが文章がうまくて。気持ち悪いんですけど、ついつい次の短編を読み始めちゃうんですよ。
読まなきゃよかったとは思いませんが、人には絶対勧めない1冊でした。

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夏がきますよ、ナンシーさん
2007-06-26 Tue 21:27
ナンシー関の「小耳にはさもう」ファイナル・カット ナンシー関の「小耳にはさもう」ファイナル・カット
ナンシー関 (2007/06)
朝日新聞社出版局
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ナンシーさんが亡くなってもう5年です。もうさすがに新刊はないだろうと思っていたので『我が家に突然ある本』のうちの1つに見つけた時はビックリしました。単行本未収録のコラム集です。
93年から02年の頃のネタなので、さすがにおぼえてないよという芸能人(SHIHOとか)もいましたが、ナンシー節はやはりおもしろく、早すぎたなぁと感慨ひとしおです
巻末の解説はえのきどいちろうさんで、彼がナンシー関を世に送り出したのですって。ペンネームの『ナンシー関』はいとうせいこうさんがつけたのですね。初めて知りました
これからも、夏が来て24時間テレビを見かけたら、ナンシーさんを思い出すことでしょう
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ファンにはまさにプレゼント
2007-06-25 Mon 00:32
クリスマス・プレゼント クリスマス・プレゼント
ジェフリー ディーヴァー (2005/12)
文藝春秋
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ディーヴァー初の短編集。私もリンカーン・ライムシリーズ以外を読むのは初めてです(といっても、ライムの短編が載ってるから読んだんですけど)

原題『TWISTED』のとおり、ひねりのきいた短編がズラリ。1本目の『ジョナサンがいない』は、ラストでぐるりと話が変わってしまい、おお!と膝を叩きページを戻して読み返しました。そうなるともうこっちは最初からかまえてしまい、これは実はこうなんじゃ?と、深読みするハメになりました。その点ではヘタな読み方しちゃったなぁと思います。
最初にディーヴァーが言っているのですが、長い物語につきあってくれる読者をガッカリさせないよう、長編では勧善懲悪を心がけているそうです。が、短編はそのポリシーがないようです。殺人者や横領犯、強盗犯は楽々と法の目をすり抜けていきます。それがまたうまいんですよねぇ
『三角関係』のような叙述トリックあり、『ノクターン』のような暖かい結末ありと、珠玉の短編集でありました。お目当てのライムの短編『クリスマス・プレゼント』ですが、この中ではそれほどの”ひねり”ではないものの、楽しく読めました。ライムも言うように、彼の本領は現場の物証から導き出される真実ですからね。
しかし、登場人物のほとんどが不倫をしている設定ってのは、いささかあきれました
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トトウには思い込みが良く似合う
2007-06-16 Sat 00:31
愛してる、愛してない... 愛してる、愛してない...
オドレイ・トトゥ (2003/09/26)
レントラックジャパン

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『彼と出合った記念に』といって、バラを送るアンジェリーク。受け取ったのは心臓外科医のロイック。彼は既婚者だけど、アンジェリークは気にしない。彼が本当に愛しているのは自分で、離婚しないのは奥さんが妊娠中だから。
そして奥さんがバイク事故で流産、ロイックを訴えていた女性が死んでと、物語は恋愛モノからサスペンスへ。
アンジェリークの視点で語られる前半と、ロイック視点の後半の落差がうまい。オチはなんとなくわかっていたんですけどねー。でもうまい!おお、ロイックがアンジェリークの家のドアを叩いたのはそのためか!とか、ボーイフレンドがロイックを詰問してああゆう展開になるのは大いなる勘違いのせいか!とか。
そしてラストの錠剤で作ったアートがまたコワイ。トトウのあの思いつめたでっかい目が『アメリ』では愛らしく、今作では大変恐ろしかったです。
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完結まであと何年?
2007-06-16 Sat 00:20
2012 009 conclusion GOD’S WAR―サイボーグ009完結編〈1(first)〉 2012 009 conclusion GOD’S WAR―サイボーグ009完結編〈1(first)〉
石ノ森 章太郎、小野寺 丈 他 (2006/12)
角川書店
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石ノ森先生が亡くなられてはや9年。亡くなった当時、息子さんがお父さんのアイデアノートを解読し、小説として発表するという話は聞いていましたが、ここまで待たされるとはねぇ。いえ、ファンが『天使編』の完結を待ちつづけて30年以上ですから、もう30年も40年も、どうってことない気もしますが。
とにかく、小野寺氏に感謝です。願わくば、現実が小説世界の2012年に追いつく前に完結させてください。

さて内容ですが、001から004まで、闘いを離れた4人のサイボーグ戦士のその後がそれぞれ描かれています。ギルモア博士と暮らすイワン、探偵業をはじめたジェット、バレリーナとして舞台に立つフランソワーズ。そしてトラック運転手をしているアルベルト。
小説は初めてということで、小野寺氏の文章は確かにうまくはないのですが、内容は石ノ森ワールド炸裂です。謎の宗教組織や遺跡から発掘された怪しい出土品、人里離れた村で生贄の儀式ですからねー。もう読んでるだけで、その情景がマンガになって再現されますよ。もちろん昭和40年代のあの丸っこい絵で。
全3巻だそうですから、このまま各人のエピソードが続き、最終巻でジョーのもとに仲間が集まって、最後の死闘になるのでしょう。
完結した暁にはOVAでもなんでもいいですから、アニメ化熱望です。

今回アルベルトの過去が変更されていました。やはりここでもあの『ベルリンの壁』はネックになったのでした。時代が限定されちゃいますからね。しょうがないとはいえ、あれこそがアルベルトなのになー、残念
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まさに至宝!ジンジャーとフレッド
2007-06-15 Fri 00:27
トップ・ハット トップ・ハット
アーヴィング・バーリン、マックス・スタイナー 他 (2003/03/29)
アイ・ヴィー・シー

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どちらかというとジーン・ケリー派の私ですが、アステアも好きです。彼の場合は女性と踊ることで更にエレガンテになるのです。あんなに小柄で細いのに、なんて素敵なんでしょう!
そして彼と名コンビを組んだジンジャー・ロジャース。あの高いヒールでよくもまあ、あれだけ踊れるものです。『チーク・トゥ・チーク』なんか絶品ですね。思わずタメイキ
物語はというと、自分に言い寄ってきたジェリーを既婚者だと勘違いしたデール、彼女に入れ揚げているデザイナーや、ジェリーの友達夫妻など、勘違いが勘違いを呼ぶ、なんともハリウッド的コメディです。もちろん最後はハッピーエンド。シンプルですがあの2人のダンスを見るだけでも価値があります
『リトルダンサー』のビリーもテレビでこの映画見てましたっけ
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全然リトルじゃなかったけど
2007-06-14 Thu 00:24
リトル・ダンサー DTSエディション リトル・ダンサー DTSエディション
ジェイミー・ベル (2005/03/25)
アミューズソフトエンタテインメント

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原題は『Billy Elliot』イギリスの炭鉱町で暮らす11歳の男の子です。でも思ったより背でかいんです。
たまたま紛れ込んだバレエ教室で踊ってみたら、なんとなく踊りが好きになり、親に隠れてバレエの練習に通います。炭鉱夫の父親と歳の離れたお兄ちゃんは猛反対。でも父親は、寂れる一方の炭鉱町から抜け出し夢を掴んで欲しいと、ストを続ける仲間を裏切って仕事に復帰するのです。父親が『あの子はまだ11歳なんだぁぁぁ~!』とお兄ちゃん相手に泣き叫ぶ姿は胸が熱くなります。
圧巻のダンスシーンがあるわけでなく(成功したラストの舞台もイントロで終わっちゃうし)、厳しい練習を描くわけでもなく、でも逆境の中でもビリーの『踊りたいんだ!』という気持ちが瑞々しい映画でした。ダンス映画というより、家族愛がテーマのハート・ウォーミング映画です。

少し前に見た『フラ・ガール』が、これのパクリだと酷評されておりましたが、確かにその通りでした。こりゃ言い訳できんがなってくらい(笑)
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村上流ガス抜きだそうです
2007-06-13 Wed 23:43
村上かるたうさぎおいしーフランス人 村上かるたうさぎおいしーフランス人
村上 春樹 (2007/03)
文藝春秋
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まるまる1冊脱力系ダジャレです。なんたってタイトルがこれですから。で、続く下の句(?)が『子豚の釣り師』で『あしか、浜辺をさまよえば』。ずっとこんな調子。
バカだなぁと思いながらも、安西水丸さんの絵が結構かわいかったり、
『レノンに腕押し、ラブ・アンド・ピース』
ってのが、妙に頭に残って困ってるんですけど。
なんでも『まったく世の中のためにはならないけれど、ときどき向こうから勝手に吹き出してくる、あまり知的とは言いがたい種類のへんてこな何か』をときどき放出しないと、結果、小説が書けなくなるっていうんですから。それじゃあしょうがないかなぁ。
かといって、こんなん出すのも、売れるのも村上さんくらいなもんですよ。
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豪華絢爛なおバカ映画
2007-06-13 Wed 00:29
ロバと王女 デジタルニューマスター版 ロバと王女 デジタルニューマスター版
カトリーヌ・ドヌーヴ (2006/07/28)
ハピネット・ピクチャーズ

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王妃が今際の際に言った『再婚するなら私より美しい女性と』の遺言に忠実に従った結果、王様が選んだ女性はなんと実の娘。王女は父親の求婚から逃れる為、妖精の手助けでお城の外に逃げ出し、ロバの皮をかぶって村で下女のような生活をはじめます。そこに現れるよその国の王子様!
シャルル・ペローの原作『ロバの皮』の映画化。なんといいますか、皆さんカボチャパンツに真っ赤なタイツでマジメに恋を語っているのが笑えます。王様の玉座は巨大な白ネコですし、結婚の条件が空のドレス、月のドレス、太陽のドレスです。そして最後はヘリコプターが登場ですから、ツッコミどころ満載。マジメに観てるとアホらしくなります
しかし、ドヌーブが奇跡のように美しいです。これ、公開当時(1970年)はどんな評価だったのでしょう?
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やっぱりたまにはエッセイ書いてください
2007-06-12 Tue 00:56
たぶん最後の御挨拶 たぶん最後の御挨拶
東野 圭吾 (2007/01)
文藝春秋
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東野さんは本業の小説の執筆に支障がでるほどエッセイが苦手で、だからもうエッセイは書かないつもりなんですって。だからこの本のタイトルがこう。『多分』がついているのは、自信のなさなんでしょうか?面白いんですけどね、東野さんのエッセイ
まず年表から始まります。生まれてから近年までの出来事が綴られているのですが、乱歩賞を獲ってから結構忸怩たる思いで小説を書いてきたのですね。言われてみれば私が東野作品を読み始めたのは『名探偵の掟』からですから。確かにその前はあまり記憶にありません。

すべての本の解説があり、これがとても興味深いです。取材に3年かけたのにさっぱり売れなかったとか、せつない話が続きます。私には駄作だった作品にもちゃんと思い入れがあり、作家というのは本当にわが子のような愛しさをこめて作品を世に送り出しているのですね。映画化についてのレポートもあります
その他、大好きなウィンタースポーツに関する話題や、遠縁のハギトモ選手に関するエッセイも。会社員時代の話は、この会社にウチの会社は苦労させられているものですから、なんとなく複雑でした
中でも劇団四季の会報誌の寄稿文が面白かったです。私この頃『アルプ』読んでたはずなんだけどなー。まったく覚えてません。東野さんがこんなにミュージカルが、オペラ座が好きだとは知りませんでしたよ。『オペラ座の怪人を推理する』が面白かったです。作家というのはこうゆう職業病も併発するのですね。

親交のある作家さんのこともチラホラ書かれていますが、故・藤原伊織さんを呼び捨てにするほど仲がよかったのが少し意外でした。しかもいつでも酔っ払ってるし(笑)
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二重の意味で別世界
2007-06-12 Tue 00:17
玻璃の天 玻璃の天
北村 薫 (2007/04)
文藝春秋
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英子とベッキーさんのシリーズ第2弾です。昭和初期(8年から9年にかけて)が舞台で、英子と運転手のベッキーさんが謎を解きます
「幻の橋」では祖父同士がいがみあっている男女の恋の相談にのったり、「想夫恋」ではご学友の駆け落ち騒ぎを推理したりします。英子に比べて、ご学友たちはもうすっかり行動だけは『大人の女』になったようです。
英子も、軍人なのにリベラルな考えをもった男性と知り合います。この人は今後も登場するのでしょうか?ちょっと楽しみです
『玻璃の天』ではステンドグラスの天窓から墜落死した思想家の事件を、事故か殺人かを推理します。辿り着いた真相は、ベッキーさんの痛ましい過去も明らかになってしまうのです。一話目から登場していた思想家・壇熊氏がきっと鍵を握っているのだろうなとは思っていましたが、こうゆう結びつきとは。
前作では英子の賢しさがハナについたのですが、今回はそんなことありませんでした。
当時の世相や出来事が盛り込まれているのを読むのも楽しみのひとつでした。教文館がオープンしたとか、ジグソーパズルが発売されたといった世事のことから、戦争にむかいつつある日本の姿も。英子の父親はイギリスびいきとありましたから、他人事ながら心配です
そしてお嬢様の世界というのも、またアレで。なんたって『うれー』(嬉しい)で『おすてー』(素敵)ですから。いやはや。
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三十路の為の夢物語
2007-06-07 Thu 23:38
イルカ イルカ
よしもと ばなな (2006/03/20)
文藝春秋
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小説家のキミコは編集者・五郎と知り合い、なんとなく気になってなんとなく付き合いだします。でも彼には長年つきあった内縁の妻のような女性がいて、その状況から脱出しようと、友人のお寺にまかないさんとして手伝いに行きます。でもそこで妊娠が発覚し、あまりにもあっさりその事実を受け入れて、出産を決意します
お得意のスーパーナチュラルな要素は加減されていて、いつもよりちょっと現実的な一編。前半かなりイライラしながら読みました。この人の文章表現には慣れているつもりだったんですが、今回は『だーかーらー、なんだっつーのよ!』と。五郎と知り合い、セックスして、寺に逃げ込むくらいまで、ほとんど一本調子。いつ(私が)投げ出すかとヒヤヒヤしながら読みましたよ。

物語が動くといつものばななテイストです。出産にそれほど執着していなかったキミコですが、命の芽生えを知ってしまうとやはり生みたい。でも結婚には興味がない(というか、五郎と奥さんの関係を邪魔をしたくない)ので籍は入れない。今のご時勢でもシングルマザーには風当たりは厳しいけれど、キミコは経済的に自立しているし、家族の理解もある、五郎もできる限り父親としての役目は果たすでしょう。まあ恵まれた環境ではありますね。ある意味この歳まで独身だった女性には、理想の形ではないでしょうか?
しかしアカネちゃん(子供の名前)が大きくなれば、それに伴う苦労も出てくるでしょうし、五郎だってどうなるかわかりません。でもまぁ、ここでお話を終わらせるのがよしもとばなななんでしょう。三十路シングルに夢と希望をありがとう!ってなお話でした
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子供より、最近のバカな親に観せたい
2007-06-05 Tue 18:33
皇帝ペンギン プレミアム・エディション 皇帝ペンギン プレミアム・エディション
ドキュメンタリー映画 (2005/12/16)
ジェネオン エンタテインメント

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マイナス40度の世界。出会いからはじまり、産卵、孵化、巣離れまでを追ったドキュメンタリー。8800時間ですって!ほぼ1年ですよ。
どこかで観たような感じがしたのは、NHKのプラネットアースとCG映画『ハッピーフィート』を足して2で割ったような映画だったからでした。
ペンギンたちのさまざまな様子が写されていて、卵を割ってしまったペンギンがすごく哀しそうに見えたり、親子3羽の3ショットがあったりと、8800時間はダテじゃないぞという感じでした。特に雛がもこもこでかわいくて、かわいくて。今にも『マンブル!』と言って踊りだしそうでした(だからそれはハッピーフィート)。
ペンギンの世界ではオスが少なく、逆ハーなんですって。それというのも、お父さんは3ヶ月飲まず食わずで極寒の中卵を暖め、孵化した後もお母さんがもどってくるまで1ヶ月くらいほぼ絶食。で、お母さんが帰ってきたら、今度は自分が餌をとりに20日間の旅に出るのです。消耗しきった体で旅するのですから、それで命を落とすペンギンが多いのだそうです。それでも、旅に出る直前まで子供になけなしの餌を与えてるんですからね。昨今の未熟な親たちを集めて見せたらどうでしょう?
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自選リメイク
2007-06-05 Tue 18:27
ひとかげ ひとかげ
よしもと ばなな (2006/09)
幻冬舎
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若い頃に書いた『とかげ』という短編を書き直した『ひとかげ』
この当時のばなな作品は読んでいるはずなんですけど、まるで覚えていません(笑)でも大丈夫。ちゃんと『とかげ』も収録されています。で、まずおさらいにと『とかげ』を読んでみました。思えばこれがいけなかった。
作者が最初にエクスキューズしているように、前作は『若さゆえの極端』な書き方で、主人公2人が直線的で剥き身な感じがしました。新作は『もっと内面をさらけだして』いる分、あの哀しいできごとがさらに際立ち、2人の相手に対する思いやりみたいなものが深まっているような気がしました。まぁ文字が増えた分、そりゃ当然でしょという気もしますが、痛々しい『とかげ』も、少しマイルドになった『ひとかげ』も、どちらがいい?といえば、どちらもいい。結果的にこのリメイクは成功だと思います。
ただ気になる点は、一字一句変わっていない文章がそうとうあることです。それもなんだかなぁ、と。キツイこと言いますと、カッコいい文章や気の利いた言い回しは残し、その前後に詳細を付け足しただけのようにも感じます。どうせ作り直すのなら、大筋はそのままに、文章はイチから書き直したほうが良かったんではないかなぁと思いました。
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伊坂流ホラ話
2007-06-04 Mon 18:46
フィッシュストーリー フィッシュストーリー
伊坂 幸太郎 (2007/01/30)
新潮社
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短編集です。ホントに普通の短編集でした。初出がバラバラだったんで、そりゃ当たり前なんですが、伊坂さんのことだから書き下ろしの最後の1篇でビシバシとやってくれるかな?と思ってたんですよ。
それでも非常に水準の高い短編集でした。
深夜の動物園でオオカミの檻の前で眠る元・職員。彼の不可解な行動は?と全く関係のない3人が推理をめぐらせる『動物園のエンジン』
山深い集落に人探しに来た黒澤が、『こもり様』という風習を隠れ蓑にしたビジネスを突き止める『サクリファイス』
同じく黒澤を慕っている空き巣の今村が、女性を助けようとしたところから、なんだか出生の秘密みたいなものに辿りつく『ポテチ』
この黒澤は『ラッシュライフ』からのキャラで、一番登場しているんではないでしょうか?こっちも読んでて、あ、黒澤ね、みたいな。スタイリッシュ(?)でカッコいい空き巣です。カッコ良すぎてあまり強烈な印象に残る話がありません(笑)

表題作の『フィッシュストーリー』が一番オススメで、ある売れないバンドの最後の曲がきっかけで、ある男性が襲われかけている女性を助け、その息子が成長して父親の『正義の味方になれ』という教育方針の賜物でハイジャック犯を倒し、その飛行機に乗っていた女性が数年後、ネットワーク危機を見つけて世界を救うのです。こんなふうに時系列で書いてしまうと(私の説明もヘタですが)、なんてことのない話に聞こえますが、伊坂流に物語が長い時間たゆたうような構成になっています。『お礼は父に』というのがよかったです。

どの短編にも今までのキャラが少しずつ絡んでいて、伊坂ファンにはそれを探る楽しみもありました。
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シネカノン絶好調!
2007-06-02 Sat 22:52
今月の早稲田松竹は日本映画月間。本日は『フラ・ガール』と『ゆれる』
初日のせいか、立ち見まで出てます
フラガールスタンダード・エディション フラガールスタンダード・エディション
松雪泰子 (2007/03/16)
ハピネット・ピクチャーズ

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まず日本アカデミー賞5冠ほか、各賞を総ナメにした『フラ・ガール』
常磐ハワイアンセンター設立の実話をもとにした映画です。
昭和40年、炭鉱がどんどん縮小されていくご時世になり、会社は町興しにハワイアンセンターを建設することにしました。東京からプロのダンサーを講師として招き、炭鉱の女の子たちにフラダンスを教えてもらいます。しかし2000人もの炭鉱夫がクビを切られた『鉱山の町』では、住民の風当たりは相当きついです。それでも徐々にダンサー志望は集まり、厳しい指導の甲斐あって、オープンには立派な舞台をつとめるのでした

いや~、泣かせてもらいました。ダメだよ、こんな、はっきり言って『スポ根』ものじゃないですか!紀美子と小百合の別れのシーンでまずやられた。そして駅まで先生を追いかけていくシーンと、オープン初日の舞台直前。
あら、どれもこれも監督の思うつぼ的なところで泣かされてますな。
蒼井優がとてもよかった。ラストの踊りは本当に圧巻、映画の観客と一緒に拍手しそうになりましたよ。
これ実話なんですけど、東北の町にハワイを作ろうなんて、いったい誰がなんだって考えついたんでしょう。映画より小説より、現実の方がよほど小説めいてます。しかもそれで成功したんですからねぇ。そして実話を映画化しているにもかかわらず、どうして作り物めいてしまうんでしょう?きっとキレイな部分だけを集めたからでしょうね。
ベタだのパクリだの言われていますが、それを気にしなければ楽しく泣けるいい映画です。実際わたし気にならなかったし。
しかし、しずちゃんホントにでかいなぁ


ゆれる ゆれる
オダギリジョー (2007/02/23)
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2本目は故・藤原伊織さんも絶賛だった『ゆれる』
東京で写真家として成功している弟は、田舎で家業を継いだ兄に負い目を感じるとともに、なんとなく見下してるんです。狭い街でガソリンスタンドを経営している兄は、弟のことを妬んで...いるのかな?
母親の一周忌で帰省した弟と兄、スタンドで働いている女性の3人で渓谷にドライブに行き、そこで女性が吊り橋から落ちて溺死してしまいます。その場にいたのは兄。
落ちる瞬間を弟は見ていましたが、観客(私達)にはそのシーンを隠しておくんですよ。事故か、それとも殺人か。そこのところがずっと謎のままで、ある意味ミステリ。でもそちらより徐々に顕在化してくる兄弟の確執の方が比重が高くなり、途中から心理サスペンスにすりかわっちゃうんです。
オ・ジョーも悪かないんですけど、ああゆう都会で成功した女にだらしないカッコつけな男ってのは、ちょっと雰囲気のある役者だったら誰でもできると思うんですよ。
それより香川照之。うまいです。マジメ実直、だけどなんか女性からは好かれないそこはかとない気持ち悪さ。『触らないで!!』と言った彼女の気持ちがちょっとわかるような。そして裁判が進むにつれ、だんだんと変わっていくところもうまかったです。
でも、あざとい映画でしたよ。弟のいた場所からは、吊り橋で何を言い争っていたかわからないので、本当は助けようとしていたのかもしれない。弟の回想がどこまで真実だったの?じゃ、判決に唯々諾々と従った兄の真意はどこにあるの?結局真相は藪の中。結局どっちだったのよー!って。こうゆう観るものに判断を任せるような映画はずるいよなぁ。
『最初から疑って、最後まで信じない、それがおまえだ』と、弟に言う香川さんが迫力でした
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ラス前ですが、どうなんだこりゃ
2007-06-01 Fri 22:49
21世紀少年 上 (1) 21世紀少年 上 (1)
浦沢 直樹 (2007/05/30)
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さて長々と続いていた『20世紀少年』もラス前です。タイトルも『21世紀少年』となり、今回が上巻、次の下巻で最終巻らしいです。
ケンヂが『ともだち』と対決し、カンナと再会したのが前巻まで。この後始末をつけるため、国連が出張ってきて治安の維持と事態の収拾を図ります。で、ケンヂは『ともだち』が仕掛けた最後の切り札を見つけるため、ヴァーチャルアトラクションに入るのです
なんつーか、こんな風に『ともだちにはもう一人ともだちがいた!』なんて、なんだかあとだしジャンケンみたいじゃないですか?50ページ近く前巻より薄いのに、値段がいっしょってのも、なんだかなぁ…。(それとも前がサービス価格だったのか?)
でもやはり最後が気になります。連載終わったら全部とおしで読まないと。
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偽善なのか、正直なのか
2007-06-01 Fri 22:49
鈴木先生 1 (1) 鈴木先生 1 (1)
武富 健治 (2006/08/11)
双葉社

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我が家はいきなりマンガがある家なんですが、これもそんなマンガのひとつ
『黒田硫黄以来の衝撃だよ』と言われました。確か、黒田硫黄もそうやっていきなり我が家にあったっけなぁ...。

さて、主人公は中学校2年生を担任している男性教諭、鈴木先生。生徒たちが起こす問題に真剣に取り組み、わだかまりの残らない納得のいく結論を模索します。給食のメニューから酢豚がなくなるといった軽めの問題から、小学生とつきあっていてセックスまでしてしまった生徒の指導と多様です。今時こんな先生いるんかいなと思わせる、いわゆる教育マンガなんですが、1冊読むともうおなかいっぱい。結構消耗します。
でも2巻になったあたりから鈴木先生がどうしても気持ち悪くて。受け持ちクラスの女子生徒に欲情してるんですよ。あぁ、気持ち悪い。
話の行方は気になりますから面白いんですけどね。でも読まなきゃよかったなぁと、後悔の1作です。
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