No Way Out ~出口なし~   偏愛に満ちた小説と映画の備忘録です
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マコト、いくつになったんだろ?
2006-09-28 Thu 22:25
灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク〈6〉 灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク〈6〉
石田 衣良 (2006/06)
文藝春秋

-+B+-

IWGPシリーズも6冊目です。
今回は、盗撮写真を売る小学生に肩入れする表題作、暴行犯と被害者が葛藤の末握手をする『野獣とリユニオン』、子供目当ての変態を捕まえて気のやさしい保育士の濡れ衣を晴らす『駅前無認可ガーデン』、ラストは長めの『池袋フェニックス計画』池袋の町を浄化しようと副都知事がはじめた計画に、風俗産業に依存している街の皆さんは青息吐息です。そこでマコトが立ち上がるわけなんですよ。他の事件からほとんど偶然に派生してフェニックス計画を壊滅させます。このへんのまとめ方、上手でした。副都知事との対決は肩透かしでしたけどね
毎回時事ネタを織り込んだ事件がマコトのもとに持ち込まれるんで、作品は古くならないんですけど、解決方法がなぁ。クールなタカシとホットなサル、幼馴染の警察署長まででてくれば、マコトほとんど無敵じゃない。そこがそろそろマンネリ気味なところなんですけど、やっぱり面白いんです。
<ネタバレ>池袋のトラブルシューターにも、久々に恋の予感です。次作でどうなっているか、ちょっと楽しみ。
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髪型って重要
2006-09-26 Tue 22:01
恋人たちの予感 コレクターズ・エディション 恋人たちの予感 コレクターズ・エディション
メグ・ライアン (2006/02/01)
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


今まで何度も観る機会があったのに、なぜか観ていなかった『恋人たちの予感』をついに観ました。
第一印象最悪の出会いをして、その5年後に会ったときはお互いに恋人が、更にその5年後は破局している状態で再会します。友人として付き合いをスタートさせたので、好きだと自覚してもなかなか言い出せません。あぁ、もうじれったい!という、ラブコメの王道のようなストーリー。先もあっさり読めますが、セリフまわしや、ビリー・クリスタルのうまさで退屈しません。ま、90分ということもありますけど。
メグ・ライアンかわいいです。しかし17年前ともなると髪形が野暮ったく見えます。髪型って重要なんだなぁと改めて思いました。
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大人だってみなしごですよ
2006-09-25 Mon 20:12
宇宙のみなしご 宇宙のみなしご
杉田 比呂美、森 絵都 他 (2006/06)
理論社

-+A+-

『逃げない、負けない、わめかない』
これはあとがきにあった言葉ですが、主人公たちをとてもよく表現していると思いました
なんとなく2週間不登校だった陽子、だれとでも仲良くできる弟のリン、陰湿な『仲良しグループ』から抜けようとした七瀬さん、いじめられっこのキオスク。この4人の成長物語です。青春小説というより、もっと根っこの深いところの話なんですよね。

小さい頃から『退屈に負けない』ためにいろいろな遊びを考え出してきた陽子とリンですが、二人が見つけた新しい『遊び』は他人の家の屋根に登ることでした。たまたまそれを知って参加した残りの二人。いろいろ事件が起こって、悩んで解決してといったストーリー。陽子とリンのキャクタに負うところが多いのでしょうが、ヘビィな内容の割にテンポがあって、文章が軽やかです。

陽子のお母さんの友達が『大人になると自分のことで悩んでばかりで、友達のことで悩んだりしない』といいますが、確かにその通りですわ。更に『転職は簡単にできるけど、学校は変えられない』とも。あの頃は本当に狭い、取り替えのきかない世界で生きているから、子供の社会って大人より大変だと思います。私、絶対戻りたくないもん。
教師やPTAに受けが悪くて学校を辞めた元・担任がとても印象深い言葉を残してくれました。それがこの本のタイトルです。子供だけでなく、大人になっても宇宙のみなしごにかわりはないのです
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ユナイテッド93
2006-09-24 Sun 20:48
060924_1439~0001.jpg

9.11の同時多発テロで1機だけ目標地点に到達しなかったユナイテッド機。これは乗客の必死の抵抗があった為でした。
電話で他の旅客機がWTCに突っ込んだことを知ってしまい、身代金目的ではない、このままでは死んでしまうと、乗客たちは犯人グループに挑むのです。

映画の中で描かれていましたが、乗客たちは機内から家族に最後の電話をしていました。おそらくこの会話からあのシナリオを書き上げたのでしょう。

家族に電話するシーンでもうボロボロと滂沱の涙
結果を知っているのに(いや、いるだけに?)後半ドキドキしました。なんとか助からないものかと。
しかし運命は変えられません。
墜落のあとの暗転
音もなく、劇場中も静まり返っていたのが苦しかったです

最初の場面で、管制塔で異変に気づいた職員達が『ハイジャックらしいよ』『へぇ~』みたいな感覚だったのにショックを受けました。
しかし考えてみれば、それまでのハイジャックは身代金か亡命といった要求で、まさかそれごと突っ込むなんて思いませんでしたからね。
以来ハイジャックといえば自爆テロですから。ひどい話です。

今はただ、あの事件が原因で亡くなった方のご冥福を祈るばかりです
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『いいじゃない、謎なんて』は名言でした
2006-09-24 Sun 11:54
愚者のエンドロール 愚者のエンドロール
米澤 穂信 (2002/07)
角川書店

-+B+-

『古典部シリーズ』第二弾。今回は長編です
あれから少しだけ時間が経って、夏休みも終盤。文集の準備をしている古典部の面々に、2年生の入須先輩から依頼があります。クラス出展のビデオ映画の脚本を担当した生徒が途中で倒れ、映画は殺人が起こった(らしい)時点までしか撮影されていません。その『問題編』だけ見て犯人を特定して欲しいというのです。省エネ・ホータローにしては珍しく積極的に動いて、回答編を考え抜いてビデオは完成します。
それで終わったらよかったんですが、<ネタバレ>実は『女帝』の異名を持つ入須先輩にいいように踊らされていただけだと後から気付くのでした。私はこの人が描く女の子が苦手なようで、ホータローが煮え湯を飲まされたのが本人よりも悔しいかもです。入須先輩の上をいく、ホータローのお姉さんもなんとなく苦手。
ホータローの回答に、千反田・里志・伊原が、それぞれ自分のこだわっていた部分から異を唱えるというのがよかったです。キャラの個性が出てたっていうか。
それよりもよかったのは、推理比べをしていたとき『壁抜けのできる幽霊が犯人』という案は素晴らしかったですね、ある意味。あらゆる謎を凌駕しますよ

前作よりもミステリっぽい内容とは、本人の弁。確かにそうですね。
有名な『チョコレート事件』のオマージュらしいのですが、オリジナルを読んだことがないのでよくわかりません。
似たようなことを貫井徳郎が『プリズム』でやってましたが、あっちは結局正解がなくて、大変座りが悪かったです(と、過去帳にありました)

さて、次はどれくらい時間が経っているのでしょう?文集できあがってるかしら?と、ちょっと楽しみです
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加賀さんシリーズ再読したくなりました
2006-09-21 Thu 19:26
赤い指 赤い指
東野 圭吾 (2006/07/25)
講談社

-+A+-

直木賞受賞後、初の長編というので大変興味深く読みました。それがまさか加賀さんシリーズとは!

ロリの中学生が小学生の女の子を殺してしまい、息子に甘い母親とそれに引きずられるように、いつも厄介ごとから逃げ出す癖のある父親が犯行の隠蔽を図ります。ボケた老母に罪をなすりつけるなんて、東野さんもひどいことを考えつきます。
本庁勤めで新米の松宮の叔父が『加賀』というので、あぁ、こりゃ加賀さんが探偵役なのねと、嬉しくなりました、ファンなんで。
前作『容疑者X~』の湯川先生の相手が天才数学者だったことを考えると、加賀さんに対してこのバカ両親は役不足よねぇ、供述も穴だらけだしすぐバレるよ、あれだけ宣伝する程の作品かしらと思って読んでいたんですが、最後の20ページであっ!となりました。それだけだったら普通の本格推理小説と変わらなかったでしょう。<ネタバレ>ボケてなかったんですよ、お母さん。必死に息子夫婦の愚行をとどまらせようとしてたんですよ。
言われてみれば伏線張りまくりでした。加賀さんはそれに気付いていて、なんとか息子に本当のことを話させようと策を練るんです。

バカ息子はバカ息子らしく、最後までバカ。典型的なバカっぷりで登場シーンも少なかったので、こちらに比重が置かれず、その分広がりすぎず手頃にまとまってました(それじゃいかんだろう、とも思うんですが)。

私、意外な読後感を持ちまして。
ウチの祖母も最後はちょっとボケ気味だったんですけど、私は優しく接していただろうかとか、可愛がってもらっていた頃のこととか思い出して、ちょっとおセンチになりました
加賀さんのお父さんもちょっと出てきます。この親子も大変だったんだなぁ
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でも実はテレビ版の方が見たい
2006-09-19 Tue 23:53
人間の証明 人間の証明
松田優作 (2006/10/20)
角川エンタテインメント


何度も見てるんですが、またCSでやってたんで観てしまいました
西條八十の『母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね』で有名なアレです
1977年の作品ということで、反米感情を煽るような表現がてんこ盛りでした。
平成の世でも何度かリメイクされていますが、戦後30年、あの70年代のザワザワとした舞台、戦後のひどい時代を乗り越えてきた登場人物だからこその傑作だと思います。原作読みたくなりました

主演の松田優作が、脇を固める大物俳優(結構お亡くなりになっていますね)にも物怖じしないで演じているところは、やはり若さと勢いですねー。豪華キャスティングですが、なかでもコンビを組む刑事役のハナ肇がよかったです
更に、今ではベテランの役者さん(地井武夫とか峰岸徹ほか)がホントにちょい役で出てまして、まるでカメオ出演。そっちを見つける方がおもしろかったかもです。しかし蛾二郎さんが出てるとは思いませんでしたよ。大滝修治との絡み、こりゃ寅さんか?(笑)。
でも同じ時期に林隆三と高峰三枝子、映画にはなかった娘役の岸本加代子のドラマの方が印象が強かったりします。CSでやってくれないかなぁ

角川春樹がいわゆるメディアミックスで頭角をあらわしてきた頃でした。確かに今でも当時の角川映画のキャッチコピーとかおぼえてますし、横溝正史の金田一シリーズを読み始めたのも角川映画の影響ですから。才能があったんですね
金田一といえば、来年の正月映画『犬神家の一族』が最大の関心事です。果たして石坂・金田一はどんなになっているのでしょうか!オリジナルに引き続き、こちらも音楽は大野雄二
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サゲが駄洒落でいいんかい?
2006-09-19 Tue 20:42
氷菓 氷菓
米澤 穂信 (2001/10)
角川書店

-+C+-

『小市民シリーズ』が面白かったので『古典部シリーズ』も読んでみることにしました。
無駄なエネルギーを使いたくない省エネ・奉太郎は、OGである姉の命令により廃部寸前の古典部に入部します。そこに地元の名家のお嬢様・千反田えると、友人の里志と麻耶香がおもしろがって入部します。
部室の鍵がかかっていたのはなぜかとか、毎週5時間だけ貸し出される本の謎とかいわゆる『日常の謎』系なんですよ。
で、メインは千反田が小さい頃叔父から聞いた話はなんだったのか?なんですけど、このメインがいまひとつ面白みがありませんでした。奉太郎が推理を開陳してみせて、更に2段落としのオチがあるんですけど『え?これでおしまい?』みたいな。夕飯のおかずが目玉焼きで、『や、実はちゃんとしたおかずあるから』と言ってハムエッグ出されたみたいな。
古典部のメンツも個性的ではあるのですが、なんつーか、いるようでいないよこんな高校生。書き手の方でも消化し切れてないというか、いかにも作った感ありありというか。う~ん...。
とりあえず手元に続編があるので読みますが。『小市民』の方が私は好みかな。
あ、デビュー作だから?この先もっと研鑚されていくのかしら?
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ギャングにも日常はあるんですね
2006-09-15 Fri 11:52
陽気なギャングの日常と襲撃 陽気なギャングの日常と襲撃
伊坂 幸太郎 (2006/05)
祥伝社

-+A+-

『陽気なギャング…』の続編です。
第1章は例の4人個々の短編で、なんだかゴタゴタに巻き込まれて(というか首をつっこんで)います。成瀬は仕事中にヤク中の男がマンションの屋上で人質をとって立て篭もっているのを見物します。響野は店の常連の部屋からいなくなった『幻の女』を探します。雪子は職場の同僚に送られてきた芝居のチケットの謎を探り、久遠はたまたま暴漢に襲われている男を助け、おもしろいからそのままその犯人を探し始めます。
で、これらのピースがちょっとずつはめ込まれた長編にむかうんですけど、今回は銀行強盗ではなく、成瀬の部下の彼女を誘拐犯から助けるという、ちょっとらしくない事件でした。まぁおもしろかったんですけど。

著者が途中で長編に切り換えたように、このシリーズは(というか、伊坂作品は)長編の方がおもしろい。このちょっとしたリンクが伊坂流といいますか。今回登場人物や出来事が多すぎて、追いかけるのが大変でした。この厚さには少し欲張りすぎかなとも思えます
この4人が一般の人にどんなふうに思われているか、それが私的にはとても楽しかったです。このキャラたちがとても気に入ってるものですから(笑)成瀬のような上司、いてくれたらいいよなぁ、響野の店にも通っちゃうぞ、みたいな。
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飛鳥、恐ろしい子...。(笑)
2006-09-09 Sat 00:25
チョコレートコスモス チョコレートコスモス
恩田 陸 (2006/03/15)
毎日新聞社

-+B+-

こりゃ恩田陸版『ガラスの仮面』です!!
芸能人一家に生まれ、自身も子役としてキャリアを積み実力人気ともにナンバー・ワンの若手女優・響子(亜弓さんじゃん…)と、大学の演劇サークルに入ったばかりの飛鳥、こりゃもう北島マヤなんですよ。風のエチュードをやれば彼女の周りにだけ風を感じる、同じ役を違う解釈で演じる、しぐさだけで中年女にも男にもなる。でもって本人は自分の才能に無自覚と、月影先生がいたら『飛鳥、恐ろしい子』とでも言ったことでしょう。
一条ゆかり・美内すずえ・和田慎二がアイドルと言ってましたんで、もちろん『ガラかめ』意識して書いてるんでしょうね。作者自身とても楽しんでたんではないでしょうか?読んでるこちらも、とても面白かったです

しかしですよ、ここで終わらせることないじゃないですか!
オーデション(これがまたガラかめだよ)の末、響子と飛鳥の2人が主役に決まり、さあこれからってところで了。えーーーーーーっ!先生ひどいですよ。飛鳥のぶちあたる壁とか、脚本家の神谷の煮詰まり具合とか、響子との演技対決とか、そのへんは乞う続編なんですか??

帯に『熱狂と陶酔の演劇ロマン』とありますが、飛鳥が無自覚なまま天才ぶりを発揮するので、熱狂も陶酔もしてるのは周囲の人間だけ。響子と共演して知りたいと求めていた『舞台の奥の奥にあるなにか』を掴みかけ、やっと飛鳥にも欲がでてきたとこでおしまいなんて。
恩田さんの作品は風呂敷ばかりが大きくて最後うまく畳めないこともあるのですが、今回は広げたところで終わりじゃないですか。ここからがおもしろそうなのになぁ。
や、ホント続編お願いしますよ
別窓 | あ行 恩田 陸 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
6年間ありがとう
2006-09-08 Fri 23:28
ハチミツとクローバー 10 (10) ハチミツとクローバー 10 (10)
羽海野 チカ (2006/09/08)
集英社

マンガの発売日を指折り数えて待つなんて、ホント久しぶりでしたよ。雑誌掲載時に読まずにいたので、ラストがどうなるかホントに気になりました
読んだ直後に友人とチャットで語り合うこと1時間。いや~、青臭いことしてしまいました

<ネタバレ>しかし、まさか修ちゃんとは...。でもまぁ、森田さんとくっついてもお互い芸術家肌なだけに、うまくいかなかったんでしょうね<ネタバレ>
山田さんと同じで、私も全っ然気が付きませんでした。乙女失格。

もっと悲劇的なラストを想像してビクビクしていたので、この甘酸っぱい終わり方は、まさに青春!ウミノさんらしい落とし方だと思います。
6年間お疲れ様でした
次回作は将棋ですか?しかも青年誌?ますます活動のジャンルが広がりますね

余談ですが、同時収録の読みきり『星のオペラ』
これはドラえもんのひみつ道具を使ってというお題だったそうです
暗記パン、なつかしいなー。テスト前にホントほしかったおぼえが...
しかしこの感動作、友人曰く
『暗記パンはトイレで出しちゃうと記憶に残らないはずなんだけど』
もう、そんなことまでおぼえてるなんて、台無しじゃないのよ!
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なんだって、なんだって...。
2006-09-07 Thu 23:22
晩鐘〈上〉晩鐘〈下〉 晩鐘〈上〉

晩鐘〈下〉
乃南 アサ (2005/05)
双葉社

-+A+-

『風紋』から7年後を描く続編です
前作では、母親が殺され突然嵐の中に放り込まれたようになってしまった真裕子と、加害者の妻であまりにも急激な変貌を遂げた香織の対比がすごかったです。
初めて読んだタイプの作品で、『犯人はおまえだ!』で終わりではなく、そこから派生していく様々なことごと、被害者家族と加害者家族のその後を描くというのが、とても印象に残っています。名作です

続編では真裕子と香織の息子・大輔、この2つの家族を事件発生当時から追いかけていた記者・建部。この3人が交互に語ります。
過去帳を見ると真裕子が復活しているなんて感想がありましたが、とんでもない!母親に捨てられたという思いから人間不信になり、寂しいからといって好きでもない男と不倫をしたり、昔付き合っていた男に無言電話をかけたりしています。父や姉が結婚し子供も生まれ、新しい人生を送っているのも許せません。真裕子ひとりが立ち直れず、ひとりぼっちのままです。
うぉぉぉぉぉ~、どうしちゃったのよ!前作のラストで『建部さんに相談してみようかな』なんて言ってたじゃん!今はムリでも、建部とつきあうなりなんなりして立ち直るのかなって安心して本を閉じたのにぃぃぃ~!!

その建部は長崎に左遷され妻にも逃げられ、鬱々と仕事をしている頃、あの香織を見かけます。今度は被害者家族としてです。
その息子の大輔は父親のことはもちろん知らされていないし、母親のことも叔母だと言われ、祖父母の家ですくすく育ちました。大人の顔色を伺い『いい子』を演じていますが、陰では結構悪いこともしてます。しかし病弱な妹を思いやるやさしいお兄ちゃんです。

読了するのに時間がかかりました。確かにかなりのボリュームですがこんなに時間がかかったのは、それよりも真裕子のことが心配で、ページをめくる手が鈍ったのでした。なんだかもうかわいそうで。更に何か追い討ちをかけるようなことが起こるんじゃないかと。義弟の俊平と仲良くなって、建部と付き合うようになっても、全然安心できませんでしたよ、ホント。もうどっぷり感情移入してしまいました。絶対さそり座だって。私もだから、わかるの気持ちが(笑)。お父さん、お姉ちゃんに感情をなじった時はスカーっとしたもの。

一方の大輔は東京で母親と暮らすことになって祖父母の目を気にしなくなったせいか、だんだんいい子のフリもしなくなります。こちらも母親の時のようなドロップアウトぶりでした。母親の財布から金を抜き取ったり、従妹や同級生をレイプしたり、ロクな死に方しないぞ、と思うくらいの変貌ぶりでしたが、父親のことを知って壊れてしまいます。そしてあまりにも哀しい結論を出すのです。
大人たちはただひたすら隠し通していましたが、こんな最悪の知られかたをするなら、建部でもいいから大輔にきちんと説明してあげればよかったのに。それを乗り越える図々しさは持ってると思ったんだけどなー。妹思いだったゆえにああゆう結論を出したのですね。
事件が解決しても、それに関った人たちにとっては死ぬまで事件が終わることはないのですね。いったい何人の人が亡くなったのでしょう。
そして救われないラスト、ゆえに評価はAです。こちらも名作なんですけどね
別窓 | な行 乃南 アサ | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
LOFT公開記念・黒沢清祭り(または役所公司でずっぱり)
2006-09-04 Mon 01:57
私もヒマだなーと思うんですが、HDにとっても結局見ないので、5時から4本ぶっ通しで見ました
さすがに黒沢ワールドにどっぷりつかって疲れました...
ドッペルゲンガー ドッペルゲンガー
役所広司 (2004/04/23)
アミューズソフトエンタテインメント


人工人体を研究している役所さんはスランプに陥り、そんな彼の前にドッペルゲンガーが現れます。これがはちゃめちゃで、理性と世間体で押えている欲望をどんどん実行していきます。最初は否定していた役所さんですが、彼を利用しようと決めてからはふっきれます。開発費を工面させたり、ライバル社の情報を集めさせたり。
二人が顔を合わせるところを画面分割で見せるところは、対比がとてもよく表現できていて面白かったです
ブラック・コメディというよりは悲喜劇。もう1人がよく吹いていた口笛を吹くシーン『俺はおまえで、おまえは俺』になった瞬間がぞっとしました。
同じく、弟のドッペルゲンガーに悩まされている永作博美ちゃんがでてきます。彼女もよかったです
ユースケ、若いですね。チンピラ役がぴったり

回路 デラックス版 回路 デラックス版
加藤晴彦 (2001/08/24)
ジェネオン エンタテインメント


インターネットを利用していると『幽霊に会いたくないですか?』という一文がいきなり画面に表示された。
文系の加藤晴彦はPCに疎いので、大学で理系の学生に相談します。これが小雪ちゃん。この二人の組み合わせがなんつーか妙。加藤晴彦にはどう考えてもムリめじゃない。背も高いし。そして小雪ちゃんが致命的にヘタでした。あ、でも不安定な感じはとてもよくでてました(ただ単に演技が固まってないだけでしょうけど)。
もう一方の麻生久美子は友人がいきなり自殺したり、勤務先の社長や家族がいなくなったりと、もう大変。加藤晴彦には彼女のほうがバランスよかったです。
突然死んだり、壁の染みになったり、赤いテープで作る開かずの間っていったいなんなんでしょう??
武田真治くんが一応説明らしき仮説を披露してくれますが、ホントにこれが正解?哀川翔はなんだってそんな仕掛けを作ったんでしょう?そのへんはもうノリとカンで見るしかないような気が。
そしてあのラストです。はぁぁぁ???って感じ。これと『カリスマ』のラストがつながっていると聞いたこともありますが、それにしても???です

CURE キュア CURE キュア
役所広司 (2001/01/25)
ジェネオン エンタテインメント


3作目ともなると、もうなんか慣れてきちゃいました
突然猟奇的な殺人が起こり、被害者も加害者も接点はなし。ただ一つ、事件の直前に謎の男と会話を交わしているのです。
これが萩原聖人 それほど派手な演技でもないんですが、人の神経に乗っかるようなイラつかせ具合がなんとも。相変わらず明確な説明はなし。おそらく元・医学生の萩原くんはライターの火や水をとっかかりに、その人の重圧を取り除くよう深層心理に働きかける、らしいです。
ただ1人それがわかった役所さんは彼になり代わり、あのラストへつながります。
なんというか、じっくり怖くなる映画でした。でも一番怖かったのは、空の洗濯機を回しつづける奥さんです

カリスマ カリスマ
役所広司、池内博之 他 (2000/09/06)
キングレコード


さて、ラストは一番『なんだかなぁ』な映画です
人質と犯人、両方を死なせてしまい、失意のうちに森をさまよっていた役所さんは『カリスマ』と呼ばれる木とそれに関わる人間達のいざこざに巻き込まれます。
ラスト、役所が東京に帰ると街が燃え上がっています。携帯で上司が『おまえ何をやったんだ』と聞きますが、ホント何やったんだよ。ってか何が起こったんだよって感じの唐突なエンディングです。あの木はなんなのよ、と。
うがった見方をするならいくらでもできますが、面倒だからやめておきます

4作通しての感想
黒沢監督、好きな役者は徹底的に使いますね(笑)
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