No Way Out ~出口なし~   偏愛に満ちた小説と映画の備忘録です
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見事なあわせ技
2007-03-11 Sun 19:36
風の墓碑銘 風の墓碑銘
乃南 アサ (2006/08/30)
新潮社
-+SA+-
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女刑事・音道貴子と滝沢保のコンビが復活です
民家の取り壊し跡から白骨が発見され、音道たちはその家の大家だった老人に当時の状況を聞こうとしますが、思い出す前に何者かに殴殺されてしまいます。そこでよその所轄から応援でやってきたのが滝沢なんです。
滝沢は音道とまたコンビを組むのを密かに喜んでいるのですが、音道の方はもう臨戦態勢です。滝沢かわいそうに...。『検視官シリーズ』でも私、マリーノの方が好きなもんですから、滝沢応援しちゃうんですよね。

そして私生活でも大変です。音道は、恋人が病気で失明してしまうかもしれなくなり、行く先の見えない将来や相手の反応に悩みながら捜査に臨みます。滝沢は体調が思わしくなく、どうやら病気のようです。こんなですから、時折衝突して険悪になったりしますが、それでもお互いを『相方』と認め、気遣い、相談したりして、最後にはなかなかいいコンビになるのでした。ヨカッタ、ヨカッタ。

このチョイ役はきっとあとから重要な役回りなんだろうなと思いながら読んでいたので、そっちに関しては予定調和なんですけど、そこに行き着くまでの捜査が面白かったです。白骨と老人の殴殺事件、お、そんなふうにつなげるか、って。
事件の本筋も面白いんですが、偽刑事の話のあたりの女のいや~な、でもなんとなくわかってしまうところやなんかが、絶妙なサジ加減でした。シリーズ中では、直木賞をとった『凍える牙』より本作が一番面白かったと思います
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なんだって、なんだって...。
2006-09-07 Thu 23:22
晩鐘〈上〉晩鐘〈下〉 晩鐘〈上〉

晩鐘〈下〉
乃南 アサ (2005/05)
双葉社

-+A+-

『風紋』から7年後を描く続編です
前作では、母親が殺され突然嵐の中に放り込まれたようになってしまった真裕子と、加害者の妻であまりにも急激な変貌を遂げた香織の対比がすごかったです。
初めて読んだタイプの作品で、『犯人はおまえだ!』で終わりではなく、そこから派生していく様々なことごと、被害者家族と加害者家族のその後を描くというのが、とても印象に残っています。名作です

続編では真裕子と香織の息子・大輔、この2つの家族を事件発生当時から追いかけていた記者・建部。この3人が交互に語ります。
過去帳を見ると真裕子が復活しているなんて感想がありましたが、とんでもない!母親に捨てられたという思いから人間不信になり、寂しいからといって好きでもない男と不倫をしたり、昔付き合っていた男に無言電話をかけたりしています。父や姉が結婚し子供も生まれ、新しい人生を送っているのも許せません。真裕子ひとりが立ち直れず、ひとりぼっちのままです。
うぉぉぉぉぉ~、どうしちゃったのよ!前作のラストで『建部さんに相談してみようかな』なんて言ってたじゃん!今はムリでも、建部とつきあうなりなんなりして立ち直るのかなって安心して本を閉じたのにぃぃぃ~!!

その建部は長崎に左遷され妻にも逃げられ、鬱々と仕事をしている頃、あの香織を見かけます。今度は被害者家族としてです。
その息子の大輔は父親のことはもちろん知らされていないし、母親のことも叔母だと言われ、祖父母の家ですくすく育ちました。大人の顔色を伺い『いい子』を演じていますが、陰では結構悪いこともしてます。しかし病弱な妹を思いやるやさしいお兄ちゃんです。

読了するのに時間がかかりました。確かにかなりのボリュームですがこんなに時間がかかったのは、それよりも真裕子のことが心配で、ページをめくる手が鈍ったのでした。なんだかもうかわいそうで。更に何か追い討ちをかけるようなことが起こるんじゃないかと。義弟の俊平と仲良くなって、建部と付き合うようになっても、全然安心できませんでしたよ、ホント。もうどっぷり感情移入してしまいました。絶対さそり座だって。私もだから、わかるの気持ちが(笑)。お父さん、お姉ちゃんに感情をなじった時はスカーっとしたもの。

一方の大輔は東京で母親と暮らすことになって祖父母の目を気にしなくなったせいか、だんだんいい子のフリもしなくなります。こちらも母親の時のようなドロップアウトぶりでした。母親の財布から金を抜き取ったり、従妹や同級生をレイプしたり、ロクな死に方しないぞ、と思うくらいの変貌ぶりでしたが、父親のことを知って壊れてしまいます。そしてあまりにも哀しい結論を出すのです。
大人たちはただひたすら隠し通していましたが、こんな最悪の知られかたをするなら、建部でもいいから大輔にきちんと説明してあげればよかったのに。それを乗り越える図々しさは持ってると思ったんだけどなー。妹思いだったゆえにああゆう結論を出したのですね。
事件が解決しても、それに関った人たちにとっては死ぬまで事件が終わることはないのですね。いったい何人の人が亡くなったのでしょう。
そして救われないラスト、ゆえに評価はAです。こちらも名作なんですけどね
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