No Way Out ~出口なし~   偏愛に満ちた小説と映画の備忘録です
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他人事に思えない
2011-10-20 Thu 20:04
飲めば都飲めば都
(2011/05)
北村 薫

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雑誌編集者の都さんの酒飲み武勇伝です。
あるときから記憶がなくなってしまうほど飲むようになった都さん。
入社したての失敗談から始まって、失恋をし、恋をし、結婚して気づけばベテラン編集者になっていました。
映画『タイタニック』や、『保険証がカードに変わる前年』といったように、時事ネタがちょこちょことまぎれています。
1995年くらいから10年間くらいでしょうか。出版業界も少しずつ先細りになっていく感じが物悲しかったりします。
で、この都さん。ホントに他人事におもえません。名前も似てるんですけど、飲むと明るくなっていろんなことをしでかし、しかも記憶がないなんて、まるで私のことじゃないですか!
酔っぱらって上司に暴力(?)をふるうところなんか、まさに私!
ハスの茎を通してお酒を飲む「象鼻盃(ぞうびはい)」、私も結婚式で試してみたかったわ~。
ちなみにウチはカスク(ビール樽)を持ってまわりました。ほら、似てるでしょ。
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それでも上品な
2009-11-15 Sun 18:20
元気でいてよ、R2-D2。元気でいてよ、R2-D2。
(2009/08/26)
北村 薫
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北村先生にしては珍しい、陰のある短編集(まえがきより)です。
妊婦の方は『腹中の悪夢』に注意してとありました。確かにこりゃこわい。よくよく考えると、ものすごく怖いシチュエーションです。
でもこれよりわたしが怖いなぁと思ったのは女の勘というか、意地みたいなものを感じた『マスカットグリーン』と『さりさり』でした。足の指をつまんで、そこからの連想で夫の浮気に気づいたり、童話にかこつけてさりげなく妹を牽制するお姉ちゃんとか。北村先生、女の厭な部分をしっかり書いてますね。『三つ、惚れられ』なんて、ものすごく効果的な仕返しだと思います。うひゃ~、女ってこわい。
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有終の美を飾る最終巻
2009-07-22 Wed 00:40
鷺と雪鷺と雪
(2009/04)
北村 薫
-+A+-
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まずは
北村先生、直木賞受賞本当におめでとうございます。
長かったですねー。ニュースで知ったときは、大きくガッツポーズしましたよ。6度目ですか。もっと早くに受賞してもおかしくないはずだったんですけど、なにはともあれヨカッタヨカッタ。
英子とベッキーさんのシリーズも最終刊。お屋敷から消えた男爵様を探したり、夜中に徘徊していた子供の事情を推理したり、その場にいないはずのご学友の婚約者の謎を解いたりと、1年でいろいろな謎を追いました。
その合間に以前知り合った若月さんというリベラルな軍人さんと再会して、胸をときめかせたりしています。英子も年頃の娘さんなんですねぇ。
で、そんな淡い気持ちを最後に打ち砕く、あの雪の日の事件。
1話目からそれらしい伏線は張られていました。山村暮鳥の詩『囈語』にある「騒擾ゆき」という言葉にドキリとしました。英子は桜田門外の変を連想しますが、私たちはやはり2・26でしょう。
間違い電話での若月との短い会話、ぐるぐると回る思考。そこでストンと幕です。いや、美しい。すべてはここに帰結するのだと思いました。それも含めて、この本での受賞はふさわしいですね。
本当におめでとうございました。
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これぞ少年少女のためのミステリランド
2008-11-07 Fri 17:33
野球の国のアリス (MYSTERY LAND)野球の国のアリス (MYSTERY LAND)
(2008/08/07)
北村 薫
-+B+-
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待ちに待った北村先生がミステリランド登場です。いや~、ラインナップを見て以来、今か今かと待ちかねた作家さんの一人です。

野球が大好きな女の子・アリスは、中学入学と同時に野球をやめてしまいます。理由は女子は野球部に入部できないから。中学入学直前の春休み、宇佐木さんを追って鏡を通りぬけた先は、左右あべこべの世界でした。そこでアリスはある使命をもって、最後の試合に臨むのです。
ミステリというよりファンタジーです。やさしくて、でも思わず襟を正すようなお話でした。まっすぐなアリスは私には眩し過ぎますね
北村さんらしい美しい文章と、『鏡の国のアリス』をもじった言葉遊びにあふれています。大人でももちろん楽しめますが、子供にこそ読んでほしい物語でした。
秀才肌の安西君より、天才五堂より、動かざること山の如しな兵藤君が結構オススメなんですけど。どうよ、アリス。

巻頭に宇山さんへの献辞がありました。宇山さんの望んだとおりにはなっていないであろうミステリランドですが、北村さんの作品には深くうなずくはずでしょう。
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派手さはありませんが、上品です
2007-11-20 Tue 21:44
1950年のバックトス 1950年のバックトス
北村 薫 (2007/08)
新潮社
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相変わらず品のいい、北村先生の短編集です。出典がまちまちなのであまり統一感のようなものはありません。2000年以前はちょっと不思議な話が多く、『雁の便り』は山の話がこんなところに着地するとはと、背筋が寒くなったりしました。眠りたくないという女の子の秘密とは?『百物語』も不気味でした。
2000年以降は、生活や人生の端々でおこる些細な出来事を書いています。『ほたてステーキと鰻』は、『ひとがた流し』の牧子が出てくる短編で、主人公だった千波が亡くなったあとの後日談が読めて、ちょっと得した気分になりました。
表題作は、戦後短い期間だけ女性のプロ野球チームがあり、そこで同じチーム
だった少女2人が、50年後に孫の試合で再会するというお話。躍動感のある試合の描写が、女の子たちのキラキラした気持ちを伝えてくれて、とてもよかったです。
でもやっぱり物足りないんですよね。
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二重の意味で別世界
2007-06-12 Tue 00:17
玻璃の天 玻璃の天
北村 薫 (2007/04)
文藝春秋
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英子とベッキーさんのシリーズ第2弾です。昭和初期(8年から9年にかけて)が舞台で、英子と運転手のベッキーさんが謎を解きます
「幻の橋」では祖父同士がいがみあっている男女の恋の相談にのったり、「想夫恋」ではご学友の駆け落ち騒ぎを推理したりします。英子に比べて、ご学友たちはもうすっかり行動だけは『大人の女』になったようです。
英子も、軍人なのにリベラルな考えをもった男性と知り合います。この人は今後も登場するのでしょうか?ちょっと楽しみです
『玻璃の天』ではステンドグラスの天窓から墜落死した思想家の事件を、事故か殺人かを推理します。辿り着いた真相は、ベッキーさんの痛ましい過去も明らかになってしまうのです。一話目から登場していた思想家・壇熊氏がきっと鍵を握っているのだろうなとは思っていましたが、こうゆう結びつきとは。
前作では英子の賢しさがハナについたのですが、今回はそんなことありませんでした。
当時の世相や出来事が盛り込まれているのを読むのも楽しみのひとつでした。教文館がオープンしたとか、ジグソーパズルが発売されたといった世事のことから、戦争にむかいつつある日本の姿も。英子の父親はイギリスびいきとありましたから、他人事ながら心配です
そしてお嬢様の世界というのも、またアレで。なんたって『うれー』(嬉しい)で『おすてー』(素敵)ですから。いやはや。
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無色透明なミステリー
2007-04-05 Thu 20:09
紙魚家崩壊 九つの謎 紙魚家崩壊 九つの謎
北村 薫 (2006/03)
講談社
-+C+-
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北村さんの書く文章は品がいい。犯人や悪役がどんなにひどいヤツでも、北村さんの文章にはある一定の品のよさがあるなぁと常々思っておりました。
この短編集は、お得意の日常の謎だけでなく、幻想譚だったりファンタジーだったりと、あまり枠にとらわれないジャンルが集めてあります。で、どれも品よく、良すぎて私の食指はあまり動かなかったのでした。
『右手と左手が恋をしている助手と、探偵の事件簿』の表題作ですが、なんだかわからないうちに本当に家が崩壊して了。続く『死と密室』は叙述の妙なんですけど、なんだかだまされているようでした。しかも確信犯的に。
『サイコロ、コロコロ』や『おにぎり、ぎりぎり』のようにいつものテイストの小品や、『溶けていく』や『俺の席』の、日常がガラリと一変してしまうお話は、構えてなかった分ゾクリとしました。
一番面白かったのは『新釈おとぎばなし』。北村さんらしくパロディの定義について語りながら、カチカチ山の本歌取りです。いや、あっぱれ
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人生、鯖々いきたいもんです
2006-07-29 Sat 21:45
月の砂漠をさばさばと 月の砂漠をさばさばと
おーなり 由子、北村 薫 他 (1999/08)
新潮社

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再読です。
『ひとがた流し』でさきちゃんを発見して読みたくなったので。
小学生のさきちゃんとお母さんのお話。ネコが飼いたくて、でも飼えなくて泣いてるさきちゃんや、さばの味噌煮の替え歌を『大きくなってもおぼえているかしら』と思いながら歌っているお母さん。
初読の時はなんだか寂しい読後でしたが、これから10年後にどうなっているかを知って読むと、大丈夫だよさきちゃん、というちょっと温かい気持ちになりました。
 
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女3人よれば、心強い
2006-07-28 Fri 15:42
ひとがた流し ひとがた流し
北村 薫 (2006/07)
朝日新聞社

+-B-+

40歳を過ぎた女友達3人の友情物語?とは違うな、もっと深い話でした。『私』シリーズの3人の大人版かな?
キャスターを務める千波、写真家の夫を支える美々、作家の牧子の3人に、美々の娘の令、夫の類、牧子の娘さきと、各章ごとに語り手が変わります。その時に必ず何かを渡すのです、バトンみたいに次の語り手に。おみやげだったり、ビデオだったり。その時に『あぁ、この人の話がおわってしまった…』と残念に思いました。このへん、うまいなぁ。

でもこの物語の主人公はトムおばさんこと千波で、最初からは考えられない勢いで病が進行します。彼女のために何かをしてあげようとする恋人や友人達、彼女から何かを受け取る娘達。最期まで書かないで~!と思ってたのにぃぃ。イチョーヤ君が出現してから駆け足気味だったのがちょっと残念。

蛇足ですが、牧子とさきの親子は、『月の砂漠をさばさばと』のさきちゃんだと途中で気がつきました。過去帳ひっくり返したら『このまま素直に育ってくれたらいいなぁ』という間抜けな感想でした、過去の私ったら。でも思ったとおりに育ってくれててうれしいです。
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